舞妓の仕事を紹介|気になる年収や舞妓になるための適年齢は?

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舞妓とは


出典:写真AC

京都には上七軒、先斗町、宮川町、祇園甲部、祇園東の5つの花街があり、まとめて五花街と呼ばれています。「舞妓」はその花街にある置屋に所属する15歳~20歳の女性で、芸妓の見習い段階のことをいいます。 置屋というのは、舞妓が共同生活を営む下宿所兼事務所の役割をする場所です。

花街は、この置屋が集まる地域故に花街と呼ばれているのです。舞妓のルーツは今から約300年前の江戸時代に遡ります。

京都の東山にある八坂神社の周辺で、寺社仏閣に参詣する人や街道を旅する人々にお茶を振る舞った水茶屋の「茶立女」がルーツで、始めはお茶や団子を提供していたものにやがてお酒や料理が加わり、そして三味線などの芸を披露するように変わっていきました。これが唄や踊りでお座敷の宴席を盛り上げる現在の舞妓の形になりました。

ちなみに、京都の街を歩いていると舞妓さんとよく似た恰好をした若い女性を見かけることがありますが、あれらの女性は舞妓体験をしている観光客で、本物の舞妓さんではありません。京都に住む人でも本物の舞妓さんを見かけることは意外と少ないのです。

舞妓と芸妓の違い


photo by Kentaro Ohno

「舞妓」は「芸妓」の見習い期間の女性のことを指します。 舞妓は中学校を卒業してから置屋に入り、修行を積みます。舞妓になるにも約1年の準備期間があり、芸妓の身の回りの世話をする「仕込み」期間を経てから舞妓として修業を積むことになります。

晴れて舞妓になると、今度は一人前の芸妓になるために唄や踊り、三味線といった芸事を日々練習し、着物の着付けや髪のセットなどの身だしなみも美しくスピーディーにできるように鍛錬を積みます。舞妓らしい京言葉や生活全般についての指導もここで受け、厳しい規則の中で生活しています。

このような修行を積むと、人によって異なりますが、一般的には20歳前後で舞妓から芸妓になることができます。芸妓になると、今まで生活や修行をしていた置屋を出て、自分で生計を立てていきます。最初は置屋がサポートしてくれますが、いつかは独り立ちしなくてはなりません。

なので、芸妓にとっては自分でお得意様を作ったり、お座敷に呼んでもらえるようにしたりする営業の能力がとても重要になるのです。 年齢とともに仕事や生活の状況が大きく異なる舞妓と芸妓ですが、その違いは髪や着物といった外見にも表れています。

舞妓の髪は地毛で、一度結いあげると寝ている時も含めて一週間そのままに保ちます。髪飾りは華やかな簪(かんざし)をたくさん着けます。

一方芸妓の髪は地毛ではなくカツラで、簪(かんざし)などの髪飾りはあまりつけません。 着物も、舞妓は色鮮やかで柄の入った振袖を着ますが、芸妓は黒や色がついていても無地のシックなものを着ます。

さらに、舞妓の帯は全長5~6メートルもある「だらりの帯」と呼ばれるものを着けます。それだけでなく、下駄も高さが10cmほどもある、丸みを帯びたぽっくり下駄を履きます。 芸妓に比べて舞妓がかなり華やかな外見になることがお分かりいただけたでしょうか。見た目でも違いを判断することができるのです。

舞妓の仕事


photo by Japanexperterna.se

先ほど述べたように、舞妓はあくまで芸妓になるための見習い期間なので、その本分は修行であるといえます。しかしながら、修行を積む中である程度の実力が認められるとお座敷に呼ばれ、実際のお客さんの前で身に着けた芸事や所作を披露する機会が与えられます。

この時は芸妓と同じように宴席を盛り上げ、お客さんを楽しませることが仕事です。お座敷は日常からはかけ離れた癒しの世界です。お客さんにお酌をしたり、コミュニケーションを取ったりしてお酒やお食事をも含めたその空間、時間を存分に楽しめるようにすることも舞妓の役目です。

舞妓の年収/勤務体系/福利厚生

舞妓には決まった給料はなく、したがって年収はありません。なぜなら、置屋が舞妓の生活を預かり、世話をしている修業期間だからです。 しかし、実力が認められてお座敷に呼ばれるようになるとその場でお客さんからおひねりが貰えることもありますし、置屋で面倒を見てくれるお母さんからお小遣いが貰えることもあります。

いずれにせよ、生活は保障されているものの現金収入はお小遣い程度のものと見ておいた方が良いでしょう。 舞妓の修行は生活全般の身のこなしにも及んでいるので、休みという休みはほとんどありません。

朝から芸事の稽古を行い、お茶屋や料理屋への挨拶回りをこなし、夜はお座敷に出てお客さんをもてなします。終わるのは深夜になってしまうことも多いとなると、自分の時間はなく、修行に徹することになります。 まとまった休みは年末年始に一週間ほど取ることができるケースが多いです。

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