北海道の郷土料理「いももち・かぼちゃ団子」のおいしいレシピ

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北海道の郷土料理というと、ジンギスカンやイクラ丼・茹で毛ガニなど、肉や魚介類を使った豪快な料理のイメージがある方が多いのではないでしょうか。北海道料理を扱う居酒屋さんなどでは「じゃがバター」にいかの塩辛を添えた料理や、ふんだんに鮭を入れた「石狩鍋」、甘辛く煮つけたモチ米入りの「いかめし」なども楽しめます。

今回は、北海道のどの家庭でもおやつやおかずの1品として引き継がれている「いももち」と「かぼちゃ団子」のレシピをご紹介します。どこか懐かしい味に心がほっこりしますよ。

ジャガイモとカボチャは北海道の主食だった

本州から北海道への入植がはじまったのは、今からわずか150年ほど前。当時の北海道は未開拓の地であり、今でこそ北海道のイメージを占める広大な畑でさえ、草原や山林が続く土地でした。

現在も厳しい雪国である北海道ですが、当時は今よりも気候が寒冷。雪の積もる長い冬があり、当初は思うようにお米が収穫できない年が続いていました。米が主食である日本人ですが、米が十分に食べられない中、その時期に入植した方々の胃袋を支えたのが、ジャガイモやカボチャ・豆類といったある程度寒い土地でも収穫でき保存も効く作物でした。

米が獲れないということは、正月や祭事に必要な「餅」もなかなか食べられません。その「餅」を模擬して身近にあった農産物で作り上げたのが、「いももち」「かぼちゃ団子」だと言われています。

「いももち」のかんたんレシピをご紹介!

〔材料(作りやすい分量)〕

ジャガイモ(皮を剥く)  500g

片栗粉 200g

(焼き油 少々)

材料はいたってシンプル。片栗粉の分量を半分小麦粉にすることで、冷めても硬くなりにくいいももちになります。よりもちもちした食感が好きな方は、片栗粉100%で作る事がおすすめです。

かぼちゃ団子を作る際は、ジャガイモをカボチャに代えて分量はそのまま作ります。カボチャの皮が気にならない方は、そのまま混ぜ込んでしまっても良いです。カボチャの皮の黒いつぶつぶした色が黄色に映えます。

いももち作りのポイント

いももちを作るときの最大のポイントは、ジャガイモをつぶす工程から、粉類と混ぜ合わせる作業までを素早く行うこと。ある程度熱い時にその作業を行うことで、ジャガイモがつぶしやすく粉類とも合わさりやすいのです。冷めると粉が混ざりきらずに粉っぽく、まとまりづらくなってしまいます。

〔作り方〕

1.皮を剥いたジャガイモを2㎝角に切って蒸す(または、電子レンジ500Wで4~5分加熱)。

2.ジャガイモが熱いうちにマッシャーなどで軽くつぶし、粉を入れて更につぶす。

3.イモがなめらかになったらヘラで粉っぽさがなくなるまで捏ねる。

4.棒状に伸ばして切るか、好みの大きさに丸めてから平らにつぶしていく。

5.油を敷いたフライパンや、蒸し器で加熱し完成。

食べる時のポイント

食べる直前にフライパンで焼いたり、ゆでたり、揚げたり、蒸すことでモチモチのいももちになります。焼く際はサラダ油やオリーブオイルでも良いですが、バターを使うとマイルドで高級おやつ感覚のいももちになります。

味付けは各家庭によって違ってきます。醤油に砂糖を溶かした砂糖醤油や、みたらしダレ、あんこ、ジャリジャリした砂糖をそのまま付けて食べる家庭など様々。砂糖を同量の水に溶かして作った「シロップ」に浸して食べたという北海道民もいます。

すいとん感覚で味噌汁の具として味噌汁の中で茹でることもあり、それが「おふくろの味」と言う家庭もあります。片栗粉のとろみが少しつき、冷めにくくトロ~っとしたお味噌汁はじんわりほっこりと温まる絶品です。

アレンジ自在で冷凍保存もできるすぐれもの

お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、いももちはイタリアのパスタの一種である「ニョッキ」に作り方が似ています。パスタということは、洋風な味付けでもおいしく召し上がれるということ。クリームソースやチーズ系の味付けによく合い、居酒屋でも「いももちニョッキのクリームソース」というメニューがあるほどです。

また、丸める際に溶けるチーズを包み込んだり、甘納豆と一緒に丸めることで甘さと華やかさがプラスされ、手の込んだ料理に大変身!

食べやすい大きさに切って冷凍しておけば、食べたいときに焼けばいつでも出来立ての保存食にもなります。

終わりに

北海道を開拓した先人たちの知恵がぎゅぎゅーーっと詰まった郷土料理が、「いももち・かぼちゃ団子」なのです。味付け次第で可能性は無限大!ぜひ、様々な食べ方にチャレンジしてみてください。

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