熊谷うちわ祭りとは
うちわ祭りは文禄年間(1592年~)に京都の八坂神社を勧請(神様を新たに迎えること)し、現在の熊谷市鎌倉町にある愛宕神社に合祀された八坂神社の祭礼(例大祭)になります。
毎年7月19日から23日の5日間に渡り行われる熊谷うちわ祭りのうち、特に7月20日から22日までの3日間が一般的に知られ、およそ75万人の集客を誇り、熊谷うちわ祭り独自の細工を凝らした12台の山車・屋台が熊谷囃子の音色とともに市街地を巡行します。
この八坂神社は京都の八坂神社の末社にあたり、豪華絢爛さから関東一の祇園祭ともいわれています。
熊谷うちわ祭り 2018年の日程・アクセス
photo by Nori Norisa
祭礼期間2018年7月19日(木)から23日(月)見物できるのは20日(金)から22日(日)の3日間になります。
熊谷うちわ祭り 1日目 7月19日 遷霊祭
場所 愛宕八坂神社 PM9:00〜(非公開)
熊谷うちわ祭り 2日目 7月20日 渡御祭
神輿が御仮屋に向けて巡幸します。 場所 愛宕八坂神社〜市街地一円 AM6:00〜
初叩き合い 全町の山車・屋台による初叩き合いです。 場所 JR熊谷駅北口 PM7:00〜
熊谷うちわ祭り 3日目 7月21日 巡行祭
全町の山車・屋台による巡行です。 場所 国道17号 PM1:00〜PM4:00 巡行
叩き合い 全町の山車・屋台が叩き合いを繰り広げながら巡行します。 場所 国道17号周辺 PM6:00〜
熊谷うちわ祭り 4日目 7月22日 行宮祭
神の加護を祈願します。 場所 御仮屋(行宮) AM9:00〜
曳っ合せ叩き合い 全町の山車・屋台による最後の叩き合いです。 場所 お祭り広場 PM8:00〜
熊谷うちわ祭り 5日目 7月23日 還御祭
神輿をお返しするための巡行です。 午前0時に神輿が本宮まで担がれます。 場所 御仮屋〜本宮 22日PM11:30〜
交通:JR高崎線、秩父鉄道熊谷駅正面口(北口)徒歩5分
無料駐車場:500メートルほど離れた荒川河川敷(台数少なめ・先着順) 露店数600店 交通規制あり・ホームページ参照のこと
明治から続く熊谷うちわ祭りの歴史
photo by Nori Norisa
うちわ祭りの古い記録は江戸時代中期の寛延3年(1750)に、当時寺社ごとに行っていた祭りを町役人の許可を得て、町内全体の祭りに統一したところから始まったとあります。
現在のうちわ祭りでも各町から総代や祭事係、年番町から祭りのすべてを取り仕切る大総代が選ばれるのは、寺社毎に分けて行っていた名残です。
その当時の祭事係は祭りの期間役人と同等の権力が与えられ、旧家でないと祭事係にはなれませんでした。 初代の祭事係となった6名は現在も「草分け六人衆」として行宮に家名入りの提灯が掲げられています。
また、祭りの日は参勤交代の大名も通れず、熊谷堤を往来しなくてはならなかったようです。
時代が進み天保時代(1830~)になると、神輿が新調され全町合同の神輿渡御が始まりました。祭りの期間中は各戸で赤飯を炊いて厄除けをし、また町内の各商店が買物客に赤飯を振る舞ったので、「熊谷の赤飯ふるまい」と呼ばれ祭りの名物となりました。
うちわ祭りの起源は、明治35年頃、料亭の主人が東京での修行中にうちわが飛び交う「天王祭」の影響を受け、手間のかかる赤飯の代わりに自ら購入したうちわを熊谷の祭りで配り始めたのが発端です。
各商店でも屋号を記したうちわなどを出すなどして広まり、うちわは生活必需品だったということで喜ばれ、「買い物は熊谷のうちわ祭りの日」と大評判となりました。3銭の買い物でも5銭のうちわを振る舞ったというエピソードも残っています。
同じ頃絹産業の発展などにより各町競ってうちわ祭りの山車・屋台を揃え、神輿渡御と山車・屋台巡行という現在のうちわ祭りの原型はこの時に作られ、第二次世界大戦中を除いて今日まで続いています。