上生菓子(じょうなまがし)と生菓子の違いは?|美しさを究めた魅力

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上生菓子の菓銘その2【竹】


出典:写真AC

全国に伝わる「七夕伝説」ですが、オーソドックスな伝承は「織姫と彦星が、神様の怒りにふれ、離ればなれにされてしまう。

しかし1年に1度だけ、7月7日に天の川をわたり逢瀬をかわすことができるようになった」というもの。ところが天気が悪いと雨水によって天の川を渡って会うことができないので、どうか晴れるようにとお祈りをささげる風習が広く伝わっています。

竹に短冊をくくり、お願いやお祈りをする光景は、全国共通でみられる風流な文化です。この七夕の時期にも、上生菓子のモチーフとして竹がよく登場するロマンチックな菓銘として人々に愛されています。

上生菓子の菓銘その3【梅】


出典:写真AC

和菓子屋の中でもその古い歴史で長く人々に知られてきた「とらや」。中でも「夜の梅(よるのうめ)」という小倉羊羹は、とらやを代表する上生菓子のひとつです。『春の夜の闇はあやなし 梅の花 色こそ見えね 香やは隠るる』。

つまり、「春の夜の暗闇は意味を成さない。梅の花は暗闇で目には見えないが、そのかぐわしい香りは隠せるものではないからだ」と、古今集で詠われています。そのうたがもととなり菓銘とされた、最も有名な、梅モチーフの上生菓子といえるでしょう。

上生菓子の菓銘その4【鶯】


出典:写真AC

「梅」と一緒に、2月によく使われるのが「鶯(うぐいす)」がモチーフの上生菓子。2月前後は、多くの和菓子屋で「うぐいすもち」は店頭を飾っています。1580年代、奈良の大和地方、郡山城の城主である豊臣秀長が、兄の豊臣秀吉を招いた茶会を開くことになった時の話。

御用菓子司の菊屋治兵衛が作り献上した餅をとても気に入った秀吉は、「この餅を鶯餅と名付けよ」と、菓銘を下賜したのが由来とされ、今でも日本で2月になるとよく登場する上生菓子のひとつとなりました。

上生菓子の菓銘その5【紫陽花】


出典:写真AC

紫陽花(あじさい)には、『手毬花』 『梅雨の花』『七変化』 などの菓銘があり、鮮やかな色彩が目をひく上生菓子となって、じめじめした梅雨の季節をあでやかに彩ってくれます。とらやでは、菓銘「紫陽花」(6月1日~6月15日ごろ発売)が、雨露にぬれてあじさいがきらきらと輝く姿をイメージして作られ、販売されています。

上生菓子の楽しみ方


出典:写真AC

このように、上生菓子にはその美しさだけでなく、季節のうつろいや、和歌などを由来とした「菓銘」という楽しみがあります。

見て食べて味わうだけでなく、菓銘を知り感じながらいただくと、いっそう味わい深く楽しめるのが上生菓子の醍醐味なのです。

和菓子の名店を支える職人から学ぶ、和菓子作り体験

今回は、上生菓子をはじめとした和菓子についてご紹介しました。上生菓子の「菓銘」が日本古来、平安貴族の歌から来ているとは驚くと同時に、大変奥深いですね。

大人の職場体験サイト「ココロミル」では、和菓子職人から学ぶ上生菓子作り体験を掲載しています。是非、チェック&体験してみてください。

和菓子の魅力を知る!季節の練りきり作り体験

体験先:栄光堂
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老舗和菓子店から学ぶ!上生菓子作り体験

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