フィルムカメラとは
フィルムカメラは銀塩カメラとも言い、デジタルカメラが普及する以前に使われていた、感光材料が塗られている専用のフィルムを使って撮影するカメラのことです。フィルムを露光させて被写体を写し取るため、現像やプリントをしなければ写真を見ることはできません。
フィルムは銀塩(ハロゲン化銀)と呼ばれるものが光に当たることにより、黒く変化する原理を利用して被写体を焼き付けているため、銀塩カメラと呼ばれています。
フィルムは一度しか撮影に使うことができず、デジタルカメラのようにプリントする前に編集をすることもできません。しかし、独特の風合いの写真が撮れ、カメラのデザインもレトロでおしゃれなものが多いため、若い人からも注目されています。
フィルムカメラの種類
出典:ぱくたそ
フィルムカメラの種類は、大きく分けて3種類あります。一般的によく使われているサイズのカメラは35mmフィルムカメラといい、35mサイズのフィルムを使って撮影します。
持ちやすく、被写体をバランスよく入れやすいサイズのため、初心者にもお勧めのカメラです。
中判フィルムカメラというのはブローニーフィルムという縦長のフィルムを使用して撮影するカメラです。タワーのような縦長のサイズを撮る時にも便利で、撮影範囲が広く、高画質の写真を撮影できます。
女性には大きいと感じられる可能性もありますが、持ち運びもそれほど負担ではありません。一方、大判フィルムカメラは102×127mmというかなり大きいサイズのフィルムを使って撮影するカメラです。
扱いが複雑になり、重量や大きさも他のカメラより負担が大きくなるため、三脚などの専用の機材を使って撮影する必要があります。ですが、他のフィルムカメラよりも高精度な写真を撮ることができるため、プロは愛用しています。
フィルムカメラとデジタルカメラとの違い
①構造
出典:ぱくたそ
フィルムカメラとデジタルカメラとの違いは、構造面に関しては実はそれほど大差ありません。フィルムカメラの場合、レンズで被写体からの光を集め、フィルム面に画像を焼き付けるようになっています。
一方、デジタルカメラの場合もレンズは被写体からの光を集め、CCDなどの現像素子と呼ばれる部品に像を結ぶ働きをしています。ここまではフィルムカメラとほとんど同じですが、受け取った画像の処理が若干異なっています。レンズを通して受け取った被写体画像は画像処理エンジンでデジタルデータに変換し、メニューで指定しておいたように画像処理が行われます。
その後、メモリーカードや本体内蔵の記録メディアなどにデータとして保管されています。
フィルムカメラとデジタルカメラとの違い
②記録媒体
出典:ぱくたそ
記録媒体に関しては、フィルムカメラとデジタルカメラではかなり大きな違いがあります。
フィルムカメラでは、レンズから取り込んだ光は専用のフィルムに直接焼き付けられます。
フィルムカメラ用のフィルムは、一度光が焼き付けられると元に戻すことはできませんので、撮影のチャンスはフィルム一枚につき一度限りです。
また、フィルムはそのまま取り出すと光で真っ黒に焼けてしまうため、一本分撮り切ってから現像しなければ写真を確認することができません。
一方、デジタルカメラは取り込んだ画像をデジタルデータに変換して、書き換え可能な記録メディアに取り込むことにより、その場で画像を確認し、データを消去して撮り直すことができます。