蒔絵とは?|材料/作り方/歴史/技法の種類を紹介

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技法がたくさん!蒔絵の技法を紹介


photo by midorisyu

蒔絵と一言に言っても、その技法には様々なものがあります。ここでは、蒔絵の技法についてご紹介します。

①平蒔絵(ひらまきえ)

 まずご紹介する平蒔絵は、蒔絵の中で最も基本的な技法です。漆で絵や文字を書いたのち、金銀、すず、色粉を蒔いて乾燥させていきます。そして、仕上げに蒔絵部分のみに透明漆を摺り漆を塗って固定させたものが平蒔絵になります。

平蒔絵の特徴としては、下地の面より蒔絵を施した面が盛り上がっている点といえます。

②研ぎ出し蒔絵(とぎだしまきえ)

次にご紹介する研ぎ出し蒔絵は、蒔絵の上に漆を塗り、乾燥して固まったら木炭で研いで、さらに摺り漆を塗り、油と砥粉(とのこ)などで磨き、下の文様や金、銀粉などをおぼろげに現す技法です。

研ぎ出し蒔絵の特徴としては、蒔絵部分と漆器のほかの部分が平蒔絵とは対照的に平らになっている点です。

③高蒔絵(たかまきえ)

高蒔絵とは、透明漆や油煙、ベンガラ、石黄などを大量に混ぜた高蒔漆や炭粉などを使って文様の部分のみを浮かび上がらせ、その上から平蒔絵をすることで立体感を出す技法です。

④肉合研ぎ出し蒔絵(ししあいとぎだしまきえ)

この蒔絵は、高蒔絵と研ぎ出し蒔絵の技法を併用したものとなっており、様々な技法や難しい工程を有するため技術的に最も難しい蒔絵といえます。文様を肉上げした上に金粉を蒔き、乾燥させた後に高低のある面を一様に研ぎ出す技法です。

⑤木地蒔絵(きじまきえ)

この蒔絵は、木材に部分的に蒔絵を施すだけで全面には漆は塗りません。一般には、地が汚れないように木材に薄い錫板を貼り、蒔絵を施す文様部分のみ切り取り、そこに錆漆をつけて薄い錫板と同一面にし、蒔絵を施した後に薄い錫板を剥ぎ取ります。

また、もう一つの方法もあり、漆の染み込みを防ぐために、木地に卵白を塗って蒔絵を施した後、全体を水洗いして卵白を取ります。

一般的に、欅(けやき)や紫檀(したん)、桜などの堅い木地の方が向いており、一度、薄く摺り漆を施すだけで普通の蒔絵と変わりなく行うことができます。一方で、桐(きり)や松材などの柔らかい木は、漆が木目に染み込みやすいため、難しいとされています。

蒔絵を体験してみよう!


photo by OIST

蒔絵の作り方や技法についてわかったところで、実際に蒔絵が体験できるスポットをご紹介します。自分の好きなデザインを絵付けできるので気軽に楽しむことができます。

なお、蒔絵体験では、揮発性物質をしようしているため、お子様や妊娠中の方、体調の優れない方はご注意ください。

加賀伝統工芸村 ゆのくにの森

【アクセス】加賀温泉駅より車で約20分

【住所】〒923-0393 石川県小松市粟津温泉ナ-3-3

【電話番号】0761-65-3456

【開村時間】9:00~16:30 臨時休業あり(詳細はHPまで)夏季期間特別延長:2018年7月21日(土)〜8月31日(金)9:00~17:00

【入村料金】大人540円 学生(中学生・高校生)440円 小人(4歳以上)330円

【体験費用】1080円~1600円

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