投扇興の距離の測り方
出典:写真AC
投扇興は2人が「枕」を挟んで向かい合って座りますが、この座る位置の距離の測り方は流派によって多少異なるようです。
投扇式では「枕より扇だけ四つ或いは三つを隔て」、新興では「枕と投席の間は四季にかたどりて四扇を隔つべし」、文化版投扇式では「花台より扇四つだけを隔てて双方に対座して云々」とあります。
現在では、畳1畳すなわち六尺の距離が広く採用されているようです。
確認しておきたい投扇興のルール
出典:写真AC
投扇興のルールに関しても流派によって多少異なるようですが、基本的には中央に枕を置きその上に的となる蝶を置きます。扇をそれぞれ5回ずつ投げ、合計得点の高い方が勝者となります。
点数は投げた後の扇・蝶・枕がおりなす位置関係を元に、名前と点数がつけられます。源氏物語54帖の巻名から名前をとった54種類の採点方法、もしくは百人一種に見立てた31種類の採点方法の2通りどちらかが適用されます。(流派ごとに点数違い有り)
【採点方法(源氏物語)】
・花散里 枕の上から蝶が落ちるも、扇とはバラバラに落ちてしまった状態:1点
・末摘花 落ちた蝶が枕の向こう側、扇が手前に落ちた状態:3点
・浮船 扇の上に蝶が立っている状態:30点
・夢の浮橋 枕と枕から落ちた蝶の上を扇が乗り、橋が架かったような状態:50点
【採点方法(百人一首)】(抜粋)
・滝川 落ちた扇に枕が倒れてのり、蝶も扇に乗ってしまっている状態:-2点
・散花 枕の方を向いて扇が落ち、その扇と枕の間に蝶が落ちている状態:3点
・富士 蝶が落ち、枕に扇のかなめが寄りかかって立っている状態:11点
・高砂 枕と蝶の間に丁度扇が刺さり、枕・扇・蝶の順で立っている状態:30点