【古くより評価されてきた和紙の原料】楮(こうぞ)から和紙になる過程を紹介

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楮の紙づくりの中での役割


出典:写真AC

楮の皮から取り出された黒皮と白皮のうち黒皮は低品質の材料に混ぜられチリ紙(チリ入り紙)に加工され、白皮が和紙の原料となります。和紙は楮の内皮である白皮の繊維を叩き解したものを漉き上げることで作られますが、楮の白皮だけを漉いたのでは繊維が接着しないために糊となるトロロを入れて漉くことで和紙が完成します。

トロロとして用いられるのはトロロアオイの根体やノリウツギの内皮から取れる粘りのある液体です。

トロロアオイやノリウツギ以外でもスイセンやビナンカズラ、ヒガンバナ、オクラ、イヌグス、アオギリなどの植物から粘りのある液体が採れ、楮を原料とした紙漉きに必要不可欠なトロロとして用いられます。

楮で作られた紙の特徴


出典:写真AC

楮を原料として作られる和紙は、木材パルプを原料に作られる紙と違って高い耐久性を持ちます。実際に1,000年以上前に漉かれた和紙が現存していることからも楮を原料とした和紙の耐久性の高さが実証されていると言えるでしょう。

また楮の長い植物繊維が絡まり合ってできる和紙は、空気や光を通す特性も持っています。古くから日本家屋で使用される障子は、和紙の通気性や採光性を生かしたものだと言えるでしょう。

障子紙を張り替えるときに紙が弛むことなくピンと張ることができるのは、湿気を含むと伸び、乾燥すると縮むという和紙の伸縮性を利用したものです。

長い植物繊維を利用することで折りたたみに強いことは、和紙の特徴を生かした日本の紙幣からも伺い知ることができます。

日本人との結びつきが深い楮


出典:写真AC

遥か昔に中国から伝来した製紙技術は日本国内で独自の進化を遂げ、和紙の持つ高い耐久性は世界中の製紙業界からも高い評価を受けると共に、楮を原料とした和紙の製法が注目を集めています。

紙漉き職人の手によって1枚1枚丹念に漉き上げられる、楮を原料とした和紙からは何処か温かみを感じるものですが、古くから日本人の生活に楮から作られた和紙が密接な菅家を持っていることが大きく影響しているのではないかと考えられます。

木と紙で作られたと評される、伝統的な日本建築は日本の気候風土にマッチした理想的な建築様式だったと言えるでしょう。

生活様式が様変わりした現代で伝統的な日本建築に暮らすことは難しいと言えますが、生活の中に様々な形で和紙を取り入れることは、日本人のDNAに対して高い癒し効果があるのではないでしょうか。 

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