粋の体験レポーター松本です。
今回は、伝統工芸士のもとで江戸すだれを使った
家庭料理にも使える「巻きすだれ製作体験」を実際に体験してきました。
またこの体験では、巻きすだれをつくりながら
伝統工芸士認定の田中製簾所5代目、田中耕太郎さんのもとに
職場体験できるというメリットもありました。
それでは、巻きすだれ製作体験レポートをご覧ください。
すだれは間仕切りや日よけとしてよく用いられていましたが、現在では粋なインテリア用品としての活用も多く、現代の暮らしにマッチしています。手づくりのすだれは希少品で、輸入品にはない風合いを田中製簾所では感じることができます。
浅草駅から徒歩10分!特徴的なすだれが目印
玄関には特徴的な”すだれ”という文字が描かれた簾があり、中に入るとすぐに工房があります。
田中さんとインターンシップ中の学生が迎えてくれました。
今回はお話をしに伺ったのですが急遽、インターンシップ中の学生と混じり、一緒に体験することになりました。
では実際に巻き簾をつくる様子を工程に沿ってお届けします。
まずは竹の寸法を測る
お客さんの注文に沿った大きさにする為、竹の寸法を測ります。えんぴつなどで印をつけ、目で見て分かるようにしておくと分かりやすいですね。
次に竹を編む為に必要な長さの紐を測り、準備します。紐が緩んでしまうと正確な長さにならないので要注意です。
投げ玉に巻きつける
測った紐を切り、投げ玉に結びつけます。
巻き簾だと投げ玉が3個必要になります。
これがかなり難しい…
田中さんはやり方を見せてくれますが、口では教えてくれません。
見ていると理解したつもりになりますが、やってみるとまったくできないのです。見る大切さとそれをすぐに理解する大切さと学び、先輩職人の技を”見て盗む”ということが大事だと感じました。
コツを掴めてきたところで、すべての投げ玉に紐を巻きつけることができました。
竹を並べてみよう
続いては、編む竹を並べる作業になります。あらかじめ竹に目印をつけておくことで順番を間違えることなく綺麗に揃えることができます。
ジグソーパズルのような感覚で楽しいです。
手こずりながらもなんとか完成!
竹を編む
ここからお待ちかねの編みの工程に移ります。
竹を1本ずつセットし、先ほど紐を巻きつけた投げ玉を使って編んでいきます。
カランコロン…
手前から奥へ、奥から手前へ投げ玉を操ります。
1本ずつ間隔と段差を揃えるように編んでいきますが、力加減ひとつですぐに歪んでしまいます。田中さんが編んだ部分と自分で編んだ部分ではかなりの差がでていて、職人の技術の高さには驚かされました。
田中さん曰く、重要なのは竹を抑える左手だそうで、巻き簾は曲げて使うものなので、硬すぎても柔らすぎてもダメだそうです。
投げ玉での編みの工程が完了し、次は手作業ですだれを編んでいきます。
結び目を固く結び、バラバラにならないようにしていきます。
最後は両端を切って、仕上げます。
そして完成しました!
1枚のすだれにかけられる時間と手間は想像以上ですね。機械とは違い、手でやるからこその力加減は、温もりを感じられるすだれが出来上がります。
さっそくですが、巻き寿司の練習をしてみました。
最後には職人さんに気になった点を聞いたり、雑談をしたり、職人づくしな1日を体験することができました。
手編みの巻き簾製作を通じて『ちゃんとしたものを、ちゃんとつくる』意味を知ることができました。田中耕太郎さんは江戸簾の伝統工芸士に認定されている一流の職人から学べる貴重な体験です。ぜひみなさんも体験してみてはいかがでしょうか。