春の七草を紹介|七草粥の簡単レシピ/歴史/特徴/覚え方など

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日本には人日の節句である1月7日の朝に七草粥を食べる風習があります。この七草粥に使われる野菜や野草を春の七草と言います。この記事では、春の七草の意味や歴史などわかりやすく紹介します。

春の七草とは?

 春の七草は芹(せり)・薺(なずな)・御形(ごぎょう)・繁縷(はこべら)・仏の座(ほとけのざ)・菘(すずな)・蘿蔔(すずしろ)です。

現在の名称では御形(ごぎょう)は母子草(ハハコグサ)、

繁縷(はこべら)は小蘩蔞(こはこべ)、

仏の座(ほとけのざ)は小鬼田平子(コオニタビラコ)、

菘(すずな)は蕪(かぶ)、

蘿蔔(すずしろ)は大根(だいこん)になります。

芹(せり)と薺(なずな)は現在の名称と同じですが、薺(なずな)はペンペン草とも呼ばれます。

春の七草の歴史・はじまり


出典:写真AC

古代の日本には年の初めに雪の間から芽を出してきた若菜を摘む「若菜摘み」という風習がありました。

また、古代の中国には旧暦1月7日に7種類の野菜を使った汁物である「七種菜羹」を食べて無病息災を祈る風習がありました。この「若菜摘み」と日本に伝わってきた「七種菜羹」が合わさって七草粥を食べる風習が生まれたと考えられています。 七草粥に使われる素材は時代によって異なっています。

平安時代中期の「延喜式」に登場する「餅がゆ」という七草粥には米・粟・きび・ひえ・みの・胡麻・小豆という7種類の穀物が使われていました。

現在のような七草粥が初めて登場する文献は1362年頃に書かれた「河海抄」で、江戸時代には庶民の間でも一般的になるほど定着していきました。

春の七草の意味

春の七草にはそれぞれ意味があります。

せりは「競り勝つ」

なずなは「撫でて汚れを除く」

ごぎょうは「仏体」

はこべらは「繁栄がはびこる」

ほとけのざは「仏の安座」

すずなは「神を呼ぶ鈴」

すずしろは「汚れのない清白」

という意味が込められています。

春の七草①

芹(せり)


出典:写真AC

春の七草に使われる野菜についてご紹介していきます。まず、ご紹介する芹(せり)は奈良時代から食べられてきたもので山野に自生しています。

三つ葉と似ているので見間違う方もいるかもしれませんが、三つ葉が3枚の葉に対して芹(せり)は、5枚の葉を持ちます。芹(せり)は2月から4月にかけてが旬の時期でビタミンCやミネラルが豊富なので老化防止や美容効果にも期待できます。

春の七草②

薺(なずな)


出典:写真AC

春の七草に使われている薺(なずな)は別名、「ぺんぺん草」や「三味線草」とも呼ばれています。春の七草で使用されるのは花が開いたよく見かけるものではなく、若い苗を使います。

時期は2月から6月にかけて花が咲きます。薺(なずな)は春の七草だけでなく薬としても用いられてきました。

春の七草③

御形(ごぎょう)


出典:写真AC

御形(ごぎょう)は本来の名を「ハハコグサ」といいます。こちらも薺(なずな)と同様に若い苗を食用とします。

今の草餅はよもぎが使われていますが、昔は御形(ごぎょう)を使っていました。御形(ごぎょう)は咳止めや内臓に聞く健康茶として親しまれていました。

春の七草④

繁縷(はこべら)


出典:写真AC

繁縷(はこべら)はすごく小さい花びらをつける植物でビタミンBとCが豊富です。昔は繁縷(はこべら)を炒った粉に塩を混ぜて歯磨き粉として使っていました。

この花は朝日が当たると開花するため「朝しらげ」とも呼ばれています。中国でも繁縷(はこべら)は止血、鎮痛作用に効くと薬として親しまれていました。

春の七草⑤

仏の座(ほとけのざ)


出典:写真AC

仏の座(ほとけのざ)はその名の通り、見た目が仏様の台座のように見えることからつけられました。

別名、「コオニタビラコ」と呼ばれます。春の七草では若葉を食べます。

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