なぜ短冊にお願い事をするのか
出典:写真AC
もともと中国の乞巧奠が奈良時代に宮中行事になったのですが、それが変化し、江戸時代に幕府が五節句に取り入れ、庶民に広がりました。 宮中では裁縫の上達を願い、五色の糸をお供えしましたが、庶民は手軽な五色の短冊を飾ったのです。
また、昔から梶の葉に詩や願い事を書いていたのですが、寺子屋が出来、庶民に読み書きが広がっていたことがあり、読み書きや学問が上達するようにと、短冊に願い事を書いたのです。
それが現代に至り、学問だけでなく、さまざまな願い事を短冊に書いて吊るすようになりました。
この風習は日本ならではのものです。
なぜ短冊を川に流すのか
出典:写真AC
中国の伝説から来ています。 川の果ては天の川に繋がっていて、川に流すことにより天に願い事が届くというのです。 また、川で身を清める風習は世界中にあります。
そして、日本においては、穢れを移し川に流す風習があります。 雛人形に子どもの穢れや厄を移し川に流す、流し雛の風習がそれです。 これと同様の考え方で、短冊を流すことにより、穢れを払うとされていました。
七夕飾りの意味
七夕飾りには意味があります。 吹き流しは、かつて織姫に供えた織り糸を表しています。 織姫と彦星は、二人のように永遠の愛が続くようにという願いを表しています。
天体観測から始まる織姫と彦星の物語
織姫と彦星の物語は、最初は古代の人たちの天体観測から始まりました。
科学が発達していないときでも、人々は星を観察し、豊作のためにいつ種を蒔いたらいいか、収穫の時期や気候の変化も予測しました。
また、自然の変化を教えてくれる星に願いを込め、敬意を示したのです。 そして、織姫や彦星の物語は、仲が良すぎて引き裂かれてしまった悲恋だけでなく、苦難を乗り越え時を超えて、永遠に続く愛情を私たちに思い出させてくれるものなのです。