からみ餅とは
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からみ餅は一般的にはつきたての餅に大根おろしとしょうゆを絡めたものをいいます。かつお節や海苔、唐辛子、ねぎなどを加えることもあり、「おろし餅」と呼ばれることもあります。
地方によっては、からみ餅はかつて、赤ちゃんの歯固めとしても用いられていたといわれています。
からみ餅の効用
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餅は雑煮などで正月に食べることが多い食べ物ですが、激しい運動を行うアスリートにとっては、絶好のエネルギー源といえます。餅には運動中のエネルギー源となる糖質が豊富に含まれていて、同じ100gで比較した場合、白米の糖質が37.1gに対し、餅には50.3gもの糖質が含まれています。
つまり、餅のほうが実に35%も多くの糖質を含んでいるのです。中でもマラソンやトライアスロンといった持久力が必要となる競技においては、効率的な糖質の摂取が重要なので、餅は効率的にエネルギーを補給できる食材といえます。
また、陸上の短距離種目や幅跳び、ウエイトリフティングといった瞬発力や大きな筋力を必要とする競技でも適度な糖質は欠かすことのできない栄養素です。こうした、短時間で行われる競技でも、同じ動作を繰り返し続けるにはエネルギー源として糖質が必要になるからです。
しかしながら、実際の試合前になると、緊張して食べ物が喉を通らなくなるというアスリートも見かけられます。そんな時、おすすめなのがからみ餅です。ご飯を茶碗1杯は食べられなくても、餅なら食べられるという方は少なくありません。
特にからみ餅の大根おろしはデンプンを分解するアミラーゼという消化酵素が多く含まれているので、消化を助け、より早くエネルギーに変えることができます。
一方、普段の食生活では、餅には多くの糖質が含まれ、また、あんこや砂糖醤油といった甘いものとの組み合わせが多いため、カロリーの過剰摂取や、血糖値の急激な上昇を招きますが、大根おろしであれば、100gで18kcal程度のエネルギーなので、カロリーの過剰摂取を抑制できます。
加えて、大根おろしには食物繊維が豊富に含まれているので、血糖値の急激な上昇も抑えられます。また、大根おろしに含まれるイソチオシアネートという辛味成分は、血液をサラサラにしたり、抗酸化作用もあるので、美肌効果が期待できます。
このイソチオシアネートは大根をおろしたときに作られ、加熱すると壊れてしまう成分なので、イソチオシアネートを摂取するにはからみ餅は最適といえるでしょう。
からみ餅の作り方
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からみ餅の作り方は簡単です。家庭で手軽に作るにはまず、ラップをかけた餅を電子レンジで加熱します。このとき、餅が溶けてしまわないよう加熱しすぎに注意しましょう。
そこへすりおろした大根と醤油、お好みで青ネギやかつお節を絡め、七味唐辛子を振ってからみ餅のできあがりです。辛いものが苦手な場合は七味の代わりに砂糖を使ったり、醤油の代わりにポン酢や白だしを使ってもよいでしょう。
元祖からみ餅のお店を紹介
静岡県静岡市葵区弥勒には、名物の「安倍川もち」を売る店が軒を連ねています。安倍川もちは餅にきな粉をまぶしたものですが、かつては砂糖が貴重で、駿河特産の白砂糖を乗せたことで評判となりました。
この安倍川もちを売る店の中に、文化元年(1804年)創業の石部屋(せきべや)があります。もちろん、安倍川もちも提供されていますが、からみ餅も名物として知られています。
石部屋のからみ餅は、もともと酒の肴として提供されていたもので、大根おろしではなく、静岡名産の生山葵と醤油を絡めて頂きます。現在は酒は提供されておらず、持ち帰りの商品もありませんが、この味目当てで訪れる客も絶えない逸品となっています。
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朝食のメニューにも最適なからみ餅
いかがでしたでしょうか。このように、雑煮や甘い味付け以外で家庭で手軽に作るにはからみ餅は最適です。消化が良くエネルギーに変わりやすく、体温を上げる効果もあるので、スポーツ以外でも朝食のメニューなどにしてみてはいかがでしょうか。