【懐かしきあの頃を思い出す】独楽(こま)の種類と起源

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独楽の起源

世界で最も古い独楽は、紀元前2000~1400年ごろのエジプトの遺跡から見つかっています。何となく日本の玩具というイメージがある独楽。意外なことに、実は同じようなものが古代ギリシャやインダス地方など、世界各国の遺跡で見つかっています。

もちろん、現在でも民芸品として世界中に独楽は存在しています。あまりに古くから広く分布しているため、詳しい起源は分かっていません。子供ならどんぐりからでも作れるような簡単なおもちゃなので、自然発生的に各地で生まれたものなのかもしれません。

日本には、朝鮮半島の高麗(こま)から伝わったといわれ、古くは「こまつくり」や「こまつぶり」と呼ばれていました。「つぶり」には、円いものという意味があります。その後、省略されて「こま」だけが残るようになりました。「独楽」というのは、中国語の「ひとりで楽しむもの」という言葉が当てられたものです。

日本における独楽の歴史


出店:写真AC

日本では、6世紀以降の平城京跡や藤原宮跡などから木製の独楽らしい出土品が見つかっています。ただし、実際に独楽として使用されていたかどうかは分かりません。はっきり独楽と分かるものが使用されていたのは、平安時代以降です。

独楽には神が宿るとされ、貴族の遊び以外にも、宮廷の儀式や占いにも用いられるようになりました。その後、南北朝時代になると太平記などに、庶民の子供たちが独楽で遊ぶ様子が描かれるようになります。江戸時代になると、経済の発展にともない、より広い地方まで独楽が伝わるようになります。

例えば、雪の上でも回せる北国の「ずぐりゴマ」や、回すと音の鳴る関西の「竹鳴りゴマ」、軸を鉄製にすることで回転数を増やした「博多ゴマ」など、様々な工夫を凝らした独楽が生まれました。

巻き貝に蝋や鉛を溶かし込んだ「バイゴマ」は、のちに金属製の「ベーゴマ」となって明治時代の子供たちの間で大流行します。昭和に入っても「けんかゴマ」などが駄菓子屋で売られ、男の子の遊びとして長い間定着した玩具となりました。

独楽の種類


出典:写真AC

独楽には、主にその形によっていくつかの種類があります。最も単純な方法として、指でひねって回すのが「ひねりゴマ」です。あまり長く回転させることはできないため、小型でシンプルなものが多くなっています。

独楽の上部に突き出した軸を、掌でこすって回転させるのが「手よりゴマ」です。回っている途中でも、こすって回転を加えられるのが特徴です。そのため、曲独楽にも多く用いられています。

手ではなく、道具を使って回すタイプの独楽もあります。その最も古い形が「ぶちゴマ」です。円筒形で、先が円錐形にとがった形をしています。その側面をムチなどで叩きながら、回転させます。このぶち独楽は、やがて紐を独楽の胴体に回して投げるタイプの「投げゴマ」に発展していきます。

ヨーロッパでは17世紀頃からこの投げゴマが主流となり、日本でも江戸時代中期からその多くが投げ独楽になっていきます。紐を使うタイプには、他にも軸に巻き付けて回転させる「巻きゴマ」があります。

縁起物としての独楽


出典:隈本コマ

独楽は古くから儀式や占いに用いられ、縁起の良いものとして扱われてきました。その理由は、独楽が回る様子を物事が上手く回っていくことに重ねていたからです。仕事やお金、また頭が回るというように、回ることはポジティブな意味合いを持っています。

また、軸がまっすぐ通っていることから、芯がある、筋を通す、といった強いイメージもあるようです。このようなイメージから、独楽は新年に縁起物として遊ばれるようになります。また、江戸時代には赤、黒、黄、緑、紫の五色に塗られた独楽が出回るようになります。

これらは江戸五色と呼ばれ、それぞれ、健康、力、富、豊作、高貴、という意味合いを持っています。他にも、佐世保独楽や肥後独楽などにも、同じように願いを込めた配色がなされています。現代でも、福岡県八女市のでは新築祝いや結婚祝いなどに、飾り独楽が贈られる風習があります。

また、関西地方で家を新築するときには、一家の繁栄を願って一対の独楽を梁に飾ります。このように、縁起物としての独楽は古くから受け継がれている伝統の1つなのです。

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