労働時間の抑制と絡み、政府主導で乱発気味の国民の祝日ではありますが、祝日自体はどこの国にもあるものです。
日本の国民の祝日にはそれぞれどのような由来があるのでしょうか。
国民の祝日に関する法・祝日法について
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国民の祝日は、通称「祝日法」という「国民の祝日に関する法律」に定められています。この法律は三条だけでできており、第一条が趣旨、第二条が各祝日とその日、第三条が「振替休日」と「国民の休日」の規定となっています。
祝日法制定当時からある国民の祝日と由来
戦前の祝日は皇室由来のものが多く、戦後は祝日の意味づけが「祝日法」で差し替えられました。戦後の国民の祝日のうち、1948年の祝日法制定以前から存在するものは、以下の通り9つあります。
元日:1月1日で、戦前の「四方節」に相当します。新年最初の日を休む国は日本だけでなく非常に多いです。
成人の日:戦後生まれの祝日です。かつては1月15日の固定祝日でしたが、現在は1月第2月曜日です。全国の自治体で成人式が開かれます。
春分の日:戦前の「春季皇霊祭」に由来します。昼と夜との時間が一致する春分に合わせたもので、日付はおおむね3月21日または22日ですが、天文学的に決定されます。「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」と、祝日法では規定されています。
憲法記念日:5月3日の日本国憲法施行の日を祝う日です。
こどもの日:5月5日の男の子の成長を願う「端午の節句」に由来します。
秋分の日:春分の日と同様天文学的に決定される移動祝日で、おおむね9月22日または23日です。「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ日」と祝日法に規定されています。
文化の日:11月3日であり、日本国憲法が公布された日です。憲法は交付の半年後に施行されましたので、文化の日と憲法記念日とには密接な関係があります。憲法公布日が11月3日だったのは、明治天皇の誕生日(明治節)に合わせたものと考えられます。
勤労感謝の日:これは戦前の、収穫物に感謝する「新嘗祭」をスライドさせたものです。11月23日に固定されています。
新しい国民の祝日と由来
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他の国民の祝日も紹介します。
建国記念の日:唯一、日付が祝日法に規定されていない祝日です。2月11日という日付は、戦前の「紀元節」に由来しますが、祝日になったのは1966年と、政治的な駆け引きの結果遅くなりました。
みどりの日:昭和天皇の誕生日を、国民の祝日として同じ日に残したものですが、さらに4月29日に、次いで5月4日に移動となりました。その結果、5月3日から5日は必ず祝日が三日間続くことになっています。
昭和の日:「みどりの日」がさらに変わったものですが、昭和天皇誕生日を引き継いでいます。
海の日:1996年から施行された新しい祝日で、現在は7月第3月曜の移動祝日となっています。
山の日:2014年制定の大変新しい祝日です。8月11日ですが、これに深い意味はありません。実質的にはお盆の休みが増えました。
敬老の日:も戦後由来の国民の祝日で、現在は9月の第3月曜日です。
体育の日:1964年の東京オリンピック開会式の日が由来です。ですから10月10日でしたが、現在は10月第2月曜の移動祝日となっています。
天皇誕生日:今上天皇の誕生日12月23日ですが、平成が終了すると、移動することになります。