こんにちは!粋の体験レポーター松本です!
今回訪問したのは、千葉県の長柄町六地蔵にある『六地蔵窯』。
陶芸家の安田裕康さんは岡山県で備前焼を学び、36歳で長柄町六地蔵に移住。開墾した山に登り窯を建設し『六地蔵窯』として独立した職人さんです。
素材である土づくりから、薪を集め、ろくろ回し、窯焚きまでを一貫している安田さん。ここまで一貫しているやきもの職人は全国を数えても1%程度だそうです。
今回は普段の陶芸家教室などでは味わうことのできない本格的やきもの職人体験をお届けします!
六地蔵窯の陶芸家・安田裕康さん
<プロフィール>
昭和45年 鹿児島県に生まれる
平成7年 備前焼作家、脇本博之に師事
平成12年 第51回岡山県美術館入選
平成13年 第18回田部美術館大賞茶の湯の造形展入選
平成19年 初窯
千葉県長柄町六地蔵へ出発!
千葉県の六地蔵窯は、房総半島の中央部に位置し、豊な自然に囲まれた地域です。
東京方面から車で1時間半ほど走ったところに六地蔵窯はあります。
笑顔で出迎えてくれたのは、六地蔵窯の代表である安田裕康さん!
「本日はよろしくお願いしますね」
挨拶する前に声をかけてもらえたので、緊張も解け、とても安心することができました。
自己紹介を済ませ、工房兼自宅へ招いていただきました。
中へ入ると、右手は展示室、左手は作業場となっていて、土の香りが広がるとても魅力的な空間となっています。
早速工房を案内していただきました!
まずは薪が保管されている場所へ
窯で焚く薪は『赤松』という木になります。赤松は松根油という油をたくさん含んでいて、燃やせば火力は強く、煙をたくさん出すので、窯で焚くにはぴったりです。
特に安田さんの制作する焼締は化粧になる釉薬を使わずに土の肌を生かしつつ、煙で柄をつけていく焼き物なので、すごく大事な素材になります。
1回の窯焚きで使用する赤松はなんと20トン!
その薪をお一人で準備されているそうです。
続いては土づくりの作業場へ
日本は火山大国であり、日本ならではの粘土が豊富に存在する焼物大国です。それでも土から自分で作る職人さんは少なく、工場で作られた粘土をビニール詰めで買うのが当たり前になってきています。
「僕はやきもの職人のなかでも変わり者だと思うよ(笑)」
そのなかでも安田さんは、土づくりから行い、備前の土と千葉の土を配合してオリジナルの焼き物を制作しています。
ついに念願の登り窯へ!
窯には焼き物を入れる部屋が4つあり、各場所で焼き具合(柄)が変わります。
手前に置くと、土の地肌を生かした色になり、奥に置くと白や赤など濁りのない色になります。
同じ部屋でも置く場所によって、火の当たり方や煙の浴び方で色が変わるので、納得いく色合いや柄になるかは、できてからのお楽しみになります。
体験で作成した焼き物は自分の好きな場所に置いて焚くことができますよ!
最後に展示室へ
安田さんの作品を見せていただきました。
茶器や、コップ、燭台など様々な作品を手に取ってみることができます!
窯で焚いたあとの色合いや柄のイメージにあった作品があれば「こんな感じにしてください」とお願いすることでイメージに近づけることもできます。
購入もできますので、気に入った作品があれば安田さんに相談してみてください。