「雀の涙(すずめのなみだ)」の意味と使い方|由来・類語・対義語

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【意味】 ごくわずかな量しか無いもののこと
【由来】 スズメほどの体の小さな鳥が涙を流したとしても、ほんのちょっとの量しか流れないことから。
【類語】 蚊の涙・姑の涙汁・猫の額・片言隻語(へんげんせきご)
【対義語】 枚挙にいとまがない・広大無辺
【英訳】

「雀の涙ほどしか財布の中身が入っていない」。

このような言い回し、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。もしくは「使ったことがある」という人もいるでしょう。

「スズメ」という小さい鳥のナミダだなんて、どことなくかわいらしい雰囲気すら感じられます。あなたはこの言葉の正しい意味を知っていますか?

注目すべき点は、「スズメがナミダを流していて愛らしい」という意味ではなく、「スズメの流すナミダとは、一体どのようなものなのか」ということ。「涙」と言ってはいますが、文脈からあまり感情と関係なさそうなことは推測できますよね。

今回は、そんな何気なく使っている日本語の「雀の涙」の意味や使い方、例文、語源について解説していきます。

「雀の涙」の意味


出典:ぱくたそ

まずは、「雀の涙」の意味や使い方からみていきましょう。 この言葉がよく使われるのは、お金の話をするときや日常生活、ビジネスシーンなどと想定されます。実際使ったことがある人も、なんとなく聞いたことがある人も、みなさんは正しい意味を理解できていますか?もし、意味をはき違えて使っていたら、恥をかいてしまうかも…。

そうならないためにも、ここで一度正しい意味や使い方についておさえておきましょう。

「雀の涙」とは、ごくわずかな量しか無いもののことを指します。

つまり、「雀の涙ほどの財布の中身」とは、お金があまり入っていないような状態のことですね。お札がなく、小銭がバラバラと入っているようなイメージでしょう。言葉の意味を知ると、かわいらしいニュアンスに反して、なんともいえない哀愁が漂ってくる気がしますね…。

ちなみに、「鬼の目にも涙」など、「涙」が入っている言葉はたくさんありますが、「雀の涙」は感情とは無関係の言葉です。ここでいう「鬼の目にも涙」は、どんなに冷酷無比な人でも、時には心が動かされるという意味。

「雀の涙」のよく使われるシーンとしては、少ない金額を指すときに使われます。しかし、金銭関係に限らず、量や数の少なさに対して使う言葉だといえますよ。

「雀の涙」の類義語・対義語


Photo by Toshihiro Gamo

では、「雀の涙」に似た言葉は、ほかにどんなものがあるのでしょうか。

類義語には、「蚊の涙」という言葉があります。こちらも「雀の涙」の涙と同様に、ごくわずかな量のものを表すときに使う言葉です。

「姑の涙汁」ということわざも。これは、「姑は嫁に対して同情の涙をめったに流さない」ということからきていて、とても少ないことのたとえです。

ほかにも、「猫の額」という言葉があります。この言葉は、物量ではなく、とても狭いことを表すときに使います。「猫の額ほどしか庭がない」など、面積がごくわずかな状態のときに使えますね。

また、「片言隻語(へんげんせきご)」という四字熟語もあります。この四字熟語は、ほんのわずかで短い言葉という意味。言葉に対してのみ使える四字熟語で、「片言隻語も漏らすことなく書き留める」というように使います。

ほかの言い回しとして、「爪の先ほどの〜」「毛の先ほどの〜」という言葉があります。こちらも「雀の涙」と同じく、ごくわずかなものの量を表して使うんですよ。「毛の先ほどの〜」という言い回しの方が、「爪の先ほどの〜」という言葉より、さらに少ないようなイメージがありますね。

対義語には、「枚挙にいとまがない」という慣用句があります。この言葉は、量があまりにも多すぎて、数え切れない様子を指して使う言葉。

ほかにも「広大無辺」という四字熟語も。こちらは宇宙など、広々とした様子で果てしないものを指すときに使います。

また、「粒粒辛苦」という四字熟語もあります。この言葉は、農民たちがお米の一粒一粒を大切にするように、コツコツと努力を重ね続けることを意味していますよ。仕事でも勉強でも、雀の涙ほどの努力にならないよう、粒粒辛苦にがんばりたいものですね。

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