「土壇場(どたんば)」の意味や使い方|斬首刑を行う場所の名称だった言葉

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皆さんは、「土壇場」という言葉の意味をご存知ですか?「土壇場で勝負がひっくり返る」「土壇場で契約を逃す」「土壇場に立たされる」「土壇場で逃げ出す」などと用いる言葉です。

また、近年よく使われる「ドタキャン」という言葉は、「土壇場でのキャンセル」を省略した言葉でもあります。  

土壇場の意味

土壇場という言葉は現在、切羽つまったギリギリの状況や、進退きわまる場面、最後の場面を意味して使われています。

一般的な用法として、「ピンチの場面」「決着の場面」の2つのニュアンスを持っているようです。みなさんも、一度は「土壇場に立たされた」ことがあるのではないでしょうか?  

土壇場の由来


出典:写真AC

「土壇場」とはそもそも、文字通りに、土を持って作った壇のことでした。ところがそれが江戸時代になって、その土壇場に罪人を横たわらせて刑を執行したことから、「斬首刑を行う場所」という意味を持つようになりました。

そしてさらにその意味が変化して、現在のような意味で使われるようになったのです。その由来から、「土壇場」の厳しい状況が想像できます。土壇場とはまさに、生死のかかった場所であり、状況だったのですね。  

土壇場の例文


出典:写真AC

それではここで、「土壇場」という言葉がどんな場面で使えるか、冒頭の2つの文を例として見ていきましょう。 まずは「土壇場で勝負がひっくり返る」。

例え話は何でも良いのですが、ここでは野球を例に挙げてみましょう。AチームとBチームの勝負が白熱し、Aチームの1点リードで、9回裏ツーアウトまで勝負は進みます。ランナーは1,2塁。

ここでBチームのバッターが凡退すれば、勝負は終了、Bチームは負けという状況です。Bチームはまさに、「土壇場に立たされた」状況なのです。しかし、1本ヒットが出れば同点、長打ならば逆転勝利です。

ですから逆の視点から、Aチームにとってもこの状況は、勝つか負けるかの「土壇場」であり、つまりこの場面は、両チームにとって勝負の「土壇場」だといえます。結果的に、この場面で長打が出てBチームが逆転勝利をおさめました。

そして、このような状況こそまさに、「土壇場で勝負がひっくり返る」と表現される状況なのです。 

次に、「土壇場で契約を逃す」です。ここでは、保険の外交員を例に挙げてみましょう。最初は嫌がられながらも、あるお客さんと何度も面会し、何とか話を聞いてもらい、自分の勧める保険に関心を持ってもらうことができた外交員Cさん。

そしてある日、とうとう勝負をかけ、実際に契約を強く勧めることに決めます。ここで契約してもらえなければ、もう見込みがありません。同時に、これまでの努力がすべて水の泡になりますが、Cさん個人としては非常に良い感触を持っています。

あとは最後の局面でうまくやれば、契約をしてもらえるだろうと考えていました。ところが、結局は契約を逃してしまいました。最後の最後で、話が駄目になってしまったのです。そして、このような状況こそ、「土壇場で契約を逃す」と表現される状況となります。  

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