「融通無碍(ゆうずうむげ)」はお経から出来た言葉?|意味と使い方

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「融通無碍」の例文

出典:写真AC

ではこの融通無碍は実際にどんな使われ方をするのでしょうか?

「彼女はどんな無理難題なお願いをしても、融通無碍に此方の要望の答える仕事をしてくれる。」

「松下幸之助さんはこの融通無碍と言う言葉を人生哲学の中に取り入れており、素直な心を持てば、どんな困難な状況でも壁を突破できないことはないとしている。」

「長年生きてきて、世俗的な事柄にとらわれない融通無碍の境地に至ることができた。」

など、困難な状況でも柔軟な対応をしているさま、世の中の考え方や人の目にとらわれないさまを表す場合に使われます。

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「融通無碍」の類語・対義語


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この融通無碍と同じような意味を持つ言葉を見てみましょう。一般的に使われる言葉として存在しているのが、「自由自在」と言う言葉であったり、またその状況に着目してみると、「臨機応変」という言葉も仲間の一つになるかもしれません。

少し馴染みのない言葉になると、「融通自在」という言葉も似たような意味を持っています。

反対の意味を持つ言葉として、私達の生活の中で一般的に使われているのが、皆さんも御存知の「杓子定規(しゃくしじょうぎ)」であったり、「四角四面」という言葉です。これらの言葉は、決まったものにこだわり、融通が利かないという意味です。

「融通無碍」を英訳すると


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この融通無碍という言葉、もともとは仏教用語なので意味をそっくりそのままに英語に訳すことは難しいのですが、訳例として挙げるならば以下3つの単語が適切ではないでしょうか。単語を使用した例文・その訳文とともに紹介します。

tactful 如才ない、機転がきく

“He is enough tactful not to irritate her.”

(彼は彼女をイラつかせないほどには機転がきく。)

flexible 柔軟な、融通が利く

“She is flexible when it comes to time”

(彼女は時間に融通が利く。)

versatile 多方面に特化した、多目的の、何をやらせてもうまくいく

“I established a versatile enterprise”

(私は多角的な事業を確立した。)

いかがでしょうか。flexibleは日本でもビジネス用語として使うことがありますね。tactfulとversatileはあまり耳馴染みのない言葉かもしれませんが、ネイティブ同士の会話でも出てくることがあります。

現代だからこそ「融通無碍」から学べること


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いかがでしょうか?この言葉の意味を調べていくと、実はとても深い由来を含んでおり、仏教の思想まで及んでしまうような壮大な背景があったことがわかりますね。

現代の私達の生活の中で使われる「融通」と言う言葉は、私達の個人的な立場からの視点で都合をつけてくれる、という利点を表した言葉として使われていますが、本来の意味は別々のものが融けあって調和をするという、とてもスケールの大きな言葉だったのです。

現代社会のおいては自己中心的な思想に囚われがちで、どうしても口から出る言葉も自己中心的な考えに沿った使い方をしてしまいますが、この融通無碍の言葉は本来、人間が持つ、お互いを思いやり、調和を図るという価値観を忘れてはいけないことを感じさせてくれます。

普段使っている何気ない言葉ですが、明日からもう一度素直な心で他者を思いやり、調和を図ることで、どんな状況でも打開していけるという融通無碍の持つ柔軟な発想は現代社会でも大切にされるものです。

一度世俗的な考え方から離れて、融通無碍な考え方をしてみるのもいいかもしれませんね。

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