「私の友人は乗り気ではなかった見合いの席で今の奥さんと知り合い、最初はどうなることかと心配だったが、これぞ合縁奇縁、お互いに昔からの家族のように相手を思いやって幸せそうだ」などというときに用いる「合縁奇縁」という言葉の意味をご存知でしょうか。
合縁奇縁は普段それほど頻繁に目にする言葉ではありませんが、使い方を知っておくと意外と便利な言葉といえます。そこで、合縁奇縁という言葉の意味や由来、使い方などについてご紹介していきます。
合縁奇縁の意味
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合縁奇縁という言葉は、不思議な巡り合わせ、人と人との縁を意味しています。主に男女の関係や夫婦などの関係で使われることが多いですが、友人関係や親子関係などで合縁奇縁という言葉を使っても間違いではありません。
合縁というのは気が合うこと、惹かれ合うことなどを指しており、奇縁という言葉は不思議なめぐりあわせ、常識や理屈では考えられなかった縁を指しています。そのため、特に不安視もされず、スムーズにお互いがひかれあっている関係性や、これまでに一切問題がなくうまくやっている関係性についてはあまり使う言葉ではありません。
合縁奇縁の由来
もともと、合縁奇縁という言葉は仏教の「愛縁機縁」という思想からきています。人と人とのつながりは、仏教で言うところの因縁によるものであるという意味です。
また、近松門左衛門の浄瑠璃にある、「心中宵庚申」にも合縁奇縁という言葉が見られます。登場人物の妻と母親がたいそう仲が悪い様子を見て、「人には合縁奇縁、血のつながった親子でも仲が悪い場合もあれば、たまたま船が一緒になった見ず知らずの人でも可愛らしいと思うことがある」と語る場面があります。
血のつながりや出会ってからの時間などは関係なく、不思議な巡り合わせというものがあることを納得させる言葉です。
合縁奇縁の例文
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合縁奇縁という言葉は、意外性のある相性の良さを語るときによく使われます。
例えば、「彼らは仕事の上ではいつも意見が対立していたのに、結婚してからは育児から家事に及ぶまで、完全に同じことを考えているように見える。合縁奇縁というのはああいう夫婦を言うのだろう」などのように、本来合わないと思われていた二人が良い縁であったときに用いるとよいです。
また、相性の良さだけでなく、不思議なめぐりあわせの良さでも用います。例えば、「あの二人は生まれも学校も職場も全く違うのに、一度はクルージングの船の中で、次は出張先の会議室で、三度目は海外旅行先で偶然出会ったそうだ。まさに合縁奇縁だ」というように使います。