【正しく「鑑みる」を使用していますか?】鑑みるの意味や由来を紹介

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鑑みるという言葉の意味をご存知でしょうか?

日常会話では使用することが少ない言葉ですが、ニュースやビジネスシーンでは広く使用されています。「世界情勢に鑑みると、あまり良い方針とは思えない」テレビやラジオなどで、このように使われている所を聞いたこともあるでしょう。

しかし、意味を正しく理解していない人も多く、誤用されることもある難しい言葉です。考慮する、と同じような意味で使われることもありますが、これは大きな間違い。全く違った意味をもっています。

鑑みるの意味


出典:写真AC

鑑みるは、「かんがみる」と読み、前例やお手本と照らし合わせる、他と今回の例について比べながら考える、といった意味があります。主に物事を比較するときの文章なので、なにか参考にしたり、お手本になる例をあげた上でなければ、使用できません。なにかについて考える、といった使い方は間違いです。

基本的に良いものと比べる、過去のものを比べる、といった意味合いが強い言葉です。ビジネスシーンでは、先例を分析しながら次の行動を決める時に使います。また、~に照らし合わせるというように、「~に」後に続けるのが正しい使い方です。~を鑑みる、という使い方は間違いなので気をつけましょう。

鑑みるの由来

鑑みるの由来は、「鑑」という漢字からきています。この漢字の語源は「鏡」と同じで、鑑も同じ読み方である、かがみを使用します。鑑(かがみ)の音読みは「かん」、鑑を動詞化からきています。鑑みるは、鏡みる(かがみる)が変化したものです。

両方ともモノを映して見る、といった意味合いをもちますが、鑑のほうはお手本や規範といった意味合いが強く、「彼はビジネスマンの鑑だ」といった使い方をします。そこから転じて、鑑みるはお手本や学ぶべき前例と比較して、という意味でつかわれるようになりました。しかし今では、前例の良し悪しにかかわらず、広い意味で使用しています。

鑑みるの例文


出典:写真AC

鑑みるはさまざまな事柄を分析する時に使います。例をだして比較した結果をのべる時に使用します。

「父親の努力に鑑みて、自分を改めようと思う。」「過去の実績に鑑みた結果、今と違ったアプローチが必要だとわかった。」といった使い方が主です。硬い言葉なので、説得力をもたせるときに便利。

ビジネスシーンではプレゼンテーションでの使用がおすすめです。

鑑みるの類語・対義語

鑑みるの類語

・照らし合わせるです。

2つ以上のものを比較するといった意味があります。ただ、鑑みるは過去の事例との比較が主なので、照らし合わせるのほうが使える範囲が広くなっています。

・踏まえる

なんらかの根拠を提示する、判断の基準にする、といった意味合いをもっています。ただし、比較対象のニュアンスが異なるため、鑑みるとの使い分けが大事です。

・念頭に置く

考えや意見を心に留めておく、といった意味を持った言葉です。こちらは、重要な考えを常に持つ、という意味。比較する言葉ではないため、鑑みるとは意味が違います。

鑑みるの対義語

鑑みるに明確な対義語は存在しません。「鑑みる」に打消の助動詞をつけた、「鑑みない」が一番近いでしょう。ただし、「鑑みない」になると、本来の意味と少し変化します。リスクを考えない、といった意味になるので注意が必要です。

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