暑中見舞いの意味・役割
日本では四季に触れ、親しい方などに便りを送り、こちらの近況を伝えるとともに、相手の安否を気遣うという風習があります。
その一つに暑中見舞いというものがあります。 これはもともと暑い最中に親しい人や知人を訪ねたり、手紙を出して様子を窺ったりすることだったようですが、現在でははがきなどで送るのが一般的です。
今では手軽にメールや電話だけでなく、LINEなどのSNSツールがありますが、昔はそういったものもありませんでした。よって暑中見舞いなどを送り合って普段なかなか会えない人たちに、「こちらは暑い夏を乗り越えて頑張っていますよ、あなたも頑張って下さいね」などと励まし言葉を送ったりする役割がありました。
四季で気温や過ごし方が変化する日本では、季節の変わり目に体調を崩す人が今も昔も少なくないですが、そういった節目で気になる人の体調や元気を気遣う日本人らしいとても暖かい風習だといえます。
暑中見舞いを書く上での注意点・マナー
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暑中見舞いを送る上でのマナーですが、 一般的に暑中見舞いなどは年賀状と違い、新年の「お祝い」を送るものではないので、喪中の方に送っても失礼ではないとされています。
ですが喪中で悲しみに暮れている方に対して楽し気な絵柄や文面を送るのは失礼にあたりますし、時期なども四十九日が過ぎた後にするなどの配慮が必要です。
また暑中見舞いは時期が決まっているので注意が必要です。 先ほど季節ごとに送る便りの一つが暑中見舞いと書きましたが、他には残暑見舞いなどというものもあります。
暑中見舞いが二十四節季の小暑(7月7日ごろ)から立秋の前日(8月6日ごろ)に送るのが通例とされているのに対し、残暑見舞いは立秋(8月7日ごろ)から処暑のころ(9月6日ごろ)とさえれています。
何となく暑いから暑中見舞いを送ろう!と、残暑見舞いの時期にあたる8月10日ごろに送るのは失礼にあたりますので注意が必要です。
暑中見舞いに書く必須事項
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暑中お見舞いに書くべき必須事項は、ズバリ「暑中お見舞い申し上げます」です。 例文などを調べていただくと分かりやすいと思いますが、この出だしがないと何のはがきかわかりませんので必ず入れていただくようにお願いします。
その後簡単な季節の挨拶を入れながら、いかがお過ごしでしょうか?などと相手を気遣う文言が続きます。 後ほど例文にも紹介しますが、ビジネスの相手に送る際は、暑中お見舞い申し上げます、の後に日ごろの取引に対するお礼を述べる言葉も忘れてはいけません。
また、基本的には暑い最中ですが、お元気ですか?体調など崩されてませんか?と相手を気遣うことがメインになりますのでそのあたりの言葉は忘れずに書き入れて欲しいです。 その後にご自身の近況の変化などがあれば書き添えるとよいでしょう。