【1度のゼンマイで1年動く】東芝の父が発明「万年時計」の仕組みや魅力

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万年時計が見られる場所


出典:写真AC

万年時計は、非常に精巧な作りであったものの、複雑すぎるあまり部品への負荷が大きく、田中久重の没後しばらくして故障したといわれています。元々は製作者であった田中家が所有していましたが、1953年に後の株式会社東芝に譲渡されました。

その後、2004年になると、文部科学省による国家プロジェクトとして、万年時計は分析・復元され、レプリカが制作されました。翌年にはこのレプリカが「愛・地球博」にて展示され、その後は東芝科学館に展示されています。そのため、実際に動くレプリカを見たい場合には、東芝科学館に行けば見ることができます。

一方、万年時計は2006年に重要文化財に指定されました。所有者は株式会社東芝ですが、実物は国立科学博物館に寄託・展示されています。

万年時計の魅力

万年時計には、当時の日本のみならず、現代でも思いつくことすら困難な多機能な機構が組み込まれています。部品のほとんどを手作業で制作し、しかもそれまでに誰も考えていなかったような仕掛けを考慮するなど、ほとんどを1人の人物が設計・完成させたことを考えると、非常に貴重な資料です。

また、装飾に関しても日本の職人の技術力が垣間見え、美しさ、多機能性のどれをとっても優れた作品といえます。

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