「快刀乱麻(かいとうらんま)」の意味や使い方|中国の故事が由来の言葉

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「長年の間、旧友と関係がこじれて関わりを断っていたが、つい先日親しくなったばかりの人物が快刀乱麻のごとく我々の仲直りを実現させてくれた」というときなどに使われる、「快刀乱麻」という言葉をご存知でしょうか。

快刀乱麻という言葉は、耳にする機会が比較的多い四字熟語ですが、正確な意味を知っている人は意外にもそれほど多くはありません。

そこで、こちらでは快刀乱麻という言葉の意味や由来、使い方などについてご紹介していきます。

快刀乱麻の意味


出典:写真AC

快刀乱麻という言葉の意味は、もつれた糸のように絡まっている難問を、いとも鮮やかに解決してみせるというものです。単純に手際が鮮やかであったり、悩み事がすっきりしたりするだけでなく、眼前にある問題を解決するというプロセスも必要ということです。

快刀というのは切れ味の鋭い刀で、乱麻というのはもつれた麻糸を指しています。こんがらがった麻糸をよく切れる刀で切るという内容が、もつれた問題をすっぱり解決するという意味に転じているのです。

快刀乱麻の由来


出典:写真AC

快刀乱麻という言葉の由来は、中国の故事からきています。元々は「快刀乱麻を断つ」という言葉でしたが、これを省略して快刀乱麻でも同じ意味を持つようになりました。

その内容は、南北朝時代の中国で、北斉の高祖であった高歓という人物が自分の子供の能力を試そうとしたことから始まります。

高歓は、子供たちそれぞれに、もつれてほどけなくなった糸の塊を渡して、元に戻すように言いました。ほとんどの子供たちが糸をほどこうとする中、二男の高洋だけが「乱れたものは斬るべきだ」といって糸の塊を刀で切ったというものです。

父はこの素早い判断力と行動力を褒めました。そして、高洋は後に文宣帝として国を統治し、その能力をいかんなく発揮したということです。

快刀乱麻の例文


出典:写真AC

快刀乱麻という言葉は、目の前のトラブルや問題を鮮やかに解決する様子を表していますので、

「わが社はクライアントの不興を買ってしまい、契約を打ち切られる寸前だった。重役たちもお手上げの中、一人の新入社員が快刀乱麻のごとくこのトラブルを解決してしまった」

などのように、まずトラブルや問題を提示して、それが解決される様子を表す際に用います。また、本来の言い方のように使うこともできます。

例えば、「私たち夫婦は離婚まで秒読みというところまで関係がこじれてしまったが、義母が快刀乱麻を断つが如くに二人の仲を仲裁してくれた」という使い方ができます。

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