【衝突を避ける日本人の賢い生き方】「お茶を濁す」の意味と由来

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私達が普段、何気なく生活の中で使っている言葉や慣用句には、様々な歴史や由来からその成り立ちと意味を持っているものが多く存在します。

「先日、とても博識のお客さんが来て、この商品について詳しく説明してほしいと言われたのだけど、あまり知識のない私は咄嗟の事で困ってしまい、仕方がないのでとりあえず人に聞いてあり合わせの説明でお茶を濁してやり過ごしてしまった。」という話です。

この中で使われている「お茶を濁す」と言う言葉について、今回は紹介します。

お茶を濁すの意味


出典:写真AC

この「お茶を濁す」という言葉は、いい加減な事を言ったり、適当な事をしたりして、その場しのぎをし、誤魔化すことを意味します。

お茶を濁すの由来

日々の生活の中で、現代人の私達もよく使う一般的な慣用句でもあります。「お茶を濁す」は、どのような由来をもっているのでしょうか?この「お茶を濁す」と言う言葉は、茶道から来ていると言われています。昔日本に茶道が始まった頃、茶道はある一定の社会階層の人が嗜む高級な趣味とされていました。

お茶を濁すという「お茶」も、実はこの言葉が生まれた時代は、現代の様に、茶葉にお湯を入れて、お茶の成分を抽出するという飲み方のものではなく、お茶を粉にしたもの(抹茶)にお湯を注いで茶筅でかき回して作る、いわゆる抹茶のことを指していまた。

当時庶民からすればお茶はとても高価なもので、庶民が口にするのは白湯や水が一般的でした。茶道の作法をわからない人が、理解しているように見せ、適当にお茶をかき混ぜて濁らせ、抹茶らしく見せて取り繕ったことから生まれたとされています。

お茶を濁すの例文


出典:写真AC

「お茶を濁す」という言葉は、どんな状況で使われるのでしょうか?

「この間テストがあって母に根掘り葉掘りとテストの事を聞かれたけれど、あまり成績が良くなかったから適当に言ってお茶を濁しておいたよ。」という表現だったり、

「先日お客様が急にウチに来ることになったのだけど、お茶菓子も何も用意していなくて適当に手作りのおやつでお茶を濁してその場をやり過ごしたわ。」という様に、とりあえず要望に答えるものではないけれど、その場を適当にやり過ごした、と言うような場面で使われることが一般的です。

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