「質実剛健(しつじつごうけん)」の意味と使い方|明治天皇由来が?

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私達の生活の中で何気なく使われている言葉の中でも振り返ってみると、その言われや意味を意外とよく知らない言葉が沢山存在します。

今回は、質実剛健という言葉について紹介していきます。

例えば「彼はとても真面目で質実剛健な人柄だ。」といったような表現を聞いた事がないでしょうか。

さてこの質実剛健という言葉が私達の生活の中でよく耳にする表現です。ではこの言葉がどのような意味を持っているのでしょうか。

質実剛健の意味


出典:ぱくたそ

質実剛健という言葉は、人柄、人間の性質を表すときによく使われます。意味は「真面目で飾り気がなく、心身共にたくましい様子」を意味します。本質を大事にすることで、飾り気なく誠実な人として、本来あるべきとも言える姿を表しているのです。

質は斤二つに貝と書きます。斤は重さをはかる重りに使われた斤を示し、これが二つあるので、重さが等しいことを意味します。貝はお金のことで、古代は今の硬貨がなかったので、貝を貨幣の変わりに使用をしていました。

質は重さが等しい二つのお金を意味し、名目に値するだけの中身を持ち合わせているという意味でもあります。

質実剛健の由来

ではこの質実剛健はどのような由来をもっているのでしょうか?明治維新を遂げた日本政府は、長い鎖国の時代を経て日本が欧米列強に遅れている事に気づきます。

すでに産業革命を遂げて発展している欧米列強に追いつけ追い越せと、様々な分野での改革が始まっていくのですが、その折に明治政府が戊申詔書というものを発布します。その詔書にはこのような一文が中に添えられていたのです。

明治天皇が国民に対し、まさにその後の質実剛健の言葉になっていく「国民への期待」が述べられていたのです。

簡単にまとめますと、「国民は忠実に仕事に励み、勤勉に倹約をして生計を立て、自ら質実を重んじ自らを励み勉め続けなければならない」といった内容の期待が込められた詔書が発布されたのです。

この言葉の内容から、質実剛健という言葉が生まれたと言われています。

明治維新後、統治機構改革を遂げた日本は、従来の日本のあり方では世界に通用しないことを痛感します。国力を高めるには、日本人一人一人の能力を上げていくことが必要だと気づき、このような詔書を出したのでしょう。

質実剛健の例文


出典:ぱくたそ

そんな時代背景から生まれた質実剛健という言葉は、現代の私達にも普通に使われている言葉でもあります。

「彼の家庭は奥さんがしっかりしている。彼自身、質実剛健を旨としているからだろう」といった表現や、「贅沢はせず、質実剛健な生活を送っていくことが、私のモットーです」と言った内容の文章の中で使われることが一般的です。

どの四字熟語にも、由来があります。

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