「五月雨(さみだれ)」の意味と由来|五月の雨ではありません

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五月雨の使い方


出典:ぱくたそ

それでは実際に、五月雨を使った例文を挙げて、どんな状況で使えるのかをチェックしましょう。 まず、長い雨という場合で使われる例文を見てみます。

俳句の季語になるような言葉ですから、美しい表現としてももちろん使われる言葉です。

五月雨の降りしきるなか、傘もささずにひとり淋しく夜道を歩いていると、背後からどうぞと傘を差し出された。人の心の温かさが、冷えた体に染みるようだった」

大切な恋を失った心は、まるで五月雨のように飽きることなく涙を流し続けていた」

いかがでしょうか。わびしさや切なさを表現する場合に、五月雨はもってこいの言葉になりますね。 次は、単にだらだらと長く続く場合の例文を考えてみます。

「五月雨式」とは、一度では終わらずに継続的にだらだらと行なわれていることや、そのやり方を示しています。 「五月雨式で申し訳ありません」のように、自分のやり方がまずかったことを謝罪するときにもよく使われます。

例えば、ビジネスメールで仕事の要件を送信して、これで終了と思いきや、補足や訂正が入ったとします。何度もメールを送るような不手際は、相手にとって非常に迷惑です。

そのため、相手の不興を考慮に入れ、あらかじめ「五月雨式で……」と断りを入れるのです。先方が「五月雨式に送ってくるなよ」と感じる前に、先手を打っているわけですね。

五月雨の類義語・対義語


出典:写真AC

さて、今度は五月雨の類義語と対義語について見てみましょう。断続的に行なわれる様子を表す言葉はいろいろあります。

「間欠的」「ひっきりなし」「断続的に」などがあります。雨として使う場合は、先ほども言いましたが、「梅雨」と同じような意味でも使います。

対義語を挙げるなら、「長雨」の対義語である「通り雨」なども考えられます。

いつまでもだらだらと続く「断続的」という意味なら、反意語は「間欠的」です。継続しないのですから「短期的」「瞬間的」「1度きり」という感じにもなるでしょう。

五月雨から学ぶ

さて、「五月雨」の意味や例文を見てきましたが、いかがでしたか?実は5月に降る雨だと勘違いしていた方もおられるのではないでしょうか。旧暦の5月だとわかるだけで、ぐっと知識も膨らみますね。

また、ビジネスシーンでも意外に活躍します。メールや電話で、五月雨式という言葉がすんなり出てくるようになると便利ですね。

どの四字熟語にも、由来があります。

 

森村誠一が松尾芭蕉の跡を追った作品です。

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