日本伝統工芸展とは
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皆さんは、日本伝統工芸展をご存知でしょうか?
工芸と聞くと、漆塗りの器や木材や金属で作られた家具など、昔からの伝統ある技術を連想するかと思います。
古くて変化が無いもの、とイメージされる方も多いかもしれません。 日本伝統工芸展は、公益団法人日本工芸会とそのスポンサーが主催する展覧会です。
その最大の特徴は、重要無形文化財保持者の方が中心となり、全国から公募を募って作品が集められることです。工芸の分野ではなんと、日本最大級の規模を誇る展覧会となっています。
毎年この展覧会では、古くから伝わる伝統工芸や、工芸技術を使って現代風にアレンジされた作品など、様々な工芸の形に出会うことができます。この展覧会を機に、工芸に対するイメージが覆されると共に、その良さを再確認する事となります。
日本伝統工芸展の歴史
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そんな日本伝統工芸展ですがその歴史は古く、昭和29年まで遡ります。この年に発足される人間国宝に関する制度に先駆けて、第一回無形文化財日本伝統工芸展が東京の三越本店で開催されました。
現在に至るまで64回まで開催されおり、様々な分野で時代を牽引する素晴らしい作品が生み出されてきました。
去年の平成29年に開催された第64回日本伝統工芸展では、革新的な形の陶磁器や金工、美しいフォルムや色が印象に残る漆芸、ハッと目を引く染織物、様々な素材で作られた人形など、心に残る数々の作品が出展されました。
日本伝統工芸展で展示される工芸の分野
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ところでこの日本伝統工芸展は、全てで7つの分野から構成されています。
陶芸、染織、漆芸、金工、木竹工、人形、諸工芸の7つです。陶芸では、粘土などを用いて皿や瓶、壺や小鉢などの陶磁器を作る分野です。美しい曲線を描いた作品や独特な形の器、綺麗な模様付けや色が印象的な作品が数多く出品されています。
染織は、織ったり染めたりして出来る布の作品のことです。伝統ある着物や帯から、現代的なパターンが織られた作品など、幅広いイメージの作品が出品されました。
総じて、布を彩る大胆な模様に心が惹かれます。漆芸とは、漆塗りの器のことです。陶芸とはまた違った形の魅力が楽しめます。漆独特の、艶やかで発色が良い作品が多くあり、高級感があります。
金工とは、金属を様々な技法で加工し、作品を作る分野です。作品のバリエーションも豊富で器や釜や置物、ブローチなど大小様々な作品があります。
木竹工は、木を加工したりや竹を編むことで作られた作品です。しっかりとした直線や木で加工したとは思えないほど優美な曲線のラインが印象的な作品が、数多く出品されています。木や竹本来の、素朴な色や質感が楽しめます。