「暗中模索(あんちゅうもさく)」の意味と使い方|驚きの由来

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暗中模索の類語・対義語


出典:写真AC

暗中模索の類義語や対義語には、どのような言葉があるのでしょうか。

同じように、何をしてよいか全く分からない状態をあらわす言葉に、「五里霧中」があります。

これは五里にもわたる深い霧のなかで、まったく進む方向さえ分からない状態を指します。ニュアンスとしては、暗中模索よりもさらに立ち止まっている印象が強い言葉です。

ちなみに「五里霧中」を「五里夢中」と誤って書いてしまうことがありますので、使う際には注意しましょう。上に書いたような五里霧中の意味を考えてみれば、「夢中」ではなく「霧の中」であるとうことがわかりますよね。

同じように、はっきりせずあやふやな状態をあらわす言葉に「曖昧模糊」もあります。 一方、「何度も挑戦や失敗を繰り返しながらも手探りで何かを探し当てる」といったニュアンスに近い言葉が「試行錯誤」です。こちらは失敗を繰り返しながらも、そのなかで解決を見出していく、といった意味があります。

暗中模索の反対の意味を持つ言葉には、「明々白々」「一目瞭然」などがあります。これらはいずれも、物事がすべてはっきりと分かっている状態を示しています。

暗中模索を英訳すると


出典:写真AC

それでは、この暗中模索という言葉を英語に翻訳するとどうなるのでしょうか?基本的に、日本の四字熟語は英語に直接対応しているわけではありませんので、ここでは暗中模索の意味に則って訳していくことになります。

意味に則って訳した場合、「ゴールや正解などが見えない状態で、何らかの目的をなし遂げるために物事を手探りで進めていく」というような意味を訳すことになります。そうしますと以下3つのような訳になります。例文とその訳文とともに見ていきましょう。

grope (in the dark)

   “You should grope in the dark if you want a solution”

   (解決策を求めるなら暗中模索すべきだ。)

※gropeは単体でもaboutやaroundなどの前置詞を後ろに置くことで「(自)手探りする、暗中模索する」等の意味をもちますが、in the darkをセットにすることで、暗闇の中で手探りであるという状態をより的確に表すことができます。

trial and error in the dark

   “Through trial and error in the dark, I found the answer.”

   (暗中模索の末、私は答えを見つけた。)

be at sea

  “She was at sea during her first week in her new job.”

   (新しい仕事での最初の一週間、彼女は暗中模索していた。)

※be at seaのbeはbe動詞なので、ここではsheと過去形に合わせてwasに変化しています。

いかがでしょうか。gropeは少し珍しい単語ですが、他は比較的簡単な語彙だということがわかりますね。使い方もそれほど難しくないので、実際の日常会話で使ってみるのもいいかもしれません。

たまには暗中模索してみるべき?


出典:ぱくたそ

暗中模索という言葉には、あまりよいイメージがない人も多いかもしれません。

ゴールが見えずに暗闇のなかを進んでいくというのは、たしかにあまり良い状況とはいえません。しかし、そのなかでも何とか手探りで正解を探し出そうとする、といったポジティブな意味合いをこの言葉は持っています。

自分が何をしてよいか分からない。向かうべき道を見失ってしまった。 そんなときにはただ立ち止まってしまうだけではなく、まずは手探りでも行動してみる。

暗中模索というのは、その大切さを示している言葉といえるでしょう。

どうしてよいか分からず、道しるべとなるものも失って行き詰ってしまったら、打開策を暗中模索して何とか前に進んでみましょう。

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