松竹梅を英語で言うと
出典:写真AC
日本ならではの等級である松竹梅、これを英語に訳すとどうなるでしょうか?もちろん、日本ならではの表現なので英語にまったく同じ表現があるわけではありません。ですので、等級を表す英語表現をご紹介します。
・first class(一級) second class(二級) third class(三級)
・heavy(大) middle(中) light (小)
・gorgeous(特上) superior(上) standard(並)
いずれもそれぞれの等級をよく表していますが、やはり日本の松竹梅のような粋な雰囲気はあまり感じられませんね。格付けをそのまま言葉の上で表すのが英語なのに対して、日本語では直接的な物言いをせずに表しています。それぞれの言語の特徴がよく表れていますね。
日本ならではの感性から生まれた松竹梅
出典:写真AC
平安から始まり、今にまで伝わる「松竹梅」は、時代を経て本来の意味合いから少しずつ変化してきました。
松も竹も梅もそれぞれが吉祥の象徴であり、優劣関係はありません。ですが、それぞれが吉祥とされた時代にしたがって現代では格付けとして使われているのです。
しかし、現代で使われている格付けとしての意味や、吉祥の象徴としての松竹梅は、現在の日本人の住生活の中でも息づいています。
松竹梅や四君子といった言葉は現代の格付けとしての意味合いだけではなく、建築の意匠など様々な場面で私達の生活を豊かにして根付いてきました。
日本建築などにおいては、松竹梅などの意匠は好事家の別荘や邸宅などのデザインの中にちりばめられてきましたし、陶器のデザインや調度品や日本画の中にも、松竹梅を取り入れたものが沢山存在します。日本の文化は古来より、松竹梅をデザインとして、様々なものに取り入れることで生活を豊かなものにしてきました。
現代において私達はあまり松竹梅を意識せずに過ごしていますが、これらの由来を調べてみると日本の文化が奥深く魅力的なものであることに気づかされます。
まさにこれが外国人からも称賛される日本人独特の感性なのだと気づかされます。現代人の私達には、忙しい日々の中で忘れてしまっているものがまだ沢山ある事に違いありません。
これらの伝統をもう一度見直して、現代の生活に活かしていくことが今の日本には必要なのかもしれませんね。
植物の名前で格付けを表したり、様々なことがらを含意して衣食住をデザインする技法は、まさしく日本人ならではの感性から生まれたものです。これらの大切な日本独自の文化をもっと海外にも発信し、知ってもらうことは日本文化の魅力の理解につながるのではないでしょうか。
外国人の方と話す機会があれば、ぜひ積極的に日本の魅力について説明してみてください。