飾り紐とは
飾り紐は日本に昔から存在する伝統工芸で、その歴史は今から約 1,400 年以上前に発生したと言われています。
技術や制度を学ぶために隋(現代の中国)に派遣された遣隋使が持ち 帰った隋からの下賜品が、紅白の麻紐で結ばれたのが起源と考えられています。
隋の文化の影響を強く受けていることから共通した結び方も多いのですが、日本で独自に考案された結び方も数多く存在します。茶道界では茶器を入れた仕服を飾り紐で封じ、みだりに 開封できないようにする鍵のような働きもありました。
また、和服の帯が緩むことを防止する 帯止めにも使用されたことで、日本独自の結び方が数多く考案されたとも考えられています。 現在は飾り紐のデザイン性の高さが評価され、海外からの注目を集め始めています。
飾り紐の材料や道具
出典:写真AC
飾り紐には、糸が斜めに交差して作られ伸縮性がある「組み紐」、平織りで織られ伸縮性のない「織紐」、糸の束を拠り合わせて作られ、最も歴史が長い「拠紐」の3種類を用いて作られます。 これらの紐の主な素材となるのが、様々な色に染め上げられた絹糸です。
これらの糸を枠と 呼ばれる木製の糸巻きに巻き上げます。拠りをかけて先端に重りの玉をつけた状態で、丸台と呼ばれる作業台や、機織り機を連想させる高台という作業台にセットして手作業で組み上げます。一つ一つが手作業ながらも熟練した職人の手で驚くほどの速さで、組み上げられて つくられます。
趣味で飾り紐を作りたいと考えている人には、丸台を簡素化した組み紐(飾り紐)ディスクというものが販売されています。
飾り紐の結び方
一見難しそうな飾り紐ですが、「几帳結び」や「揚巻結び」、「菊結び」や「梅結び」など専門的な道具を使うことなく、比較的簡単にできる飾り紐もあります。
ここでは梅結びの結び方を紹介します。
○梅結びの結び方
開いた梅の花を飾り紐で表します。机の上などに置いた状態で作業します。
飾り紐・梅結びの手順①
折り返した半分の紐を自分の方(2つの端の方)へ引き寄せハートマークを作ります。
飾り紐・梅結びの手順②
左人差し指の上を通して右手で2つの端を2つの輪の真ん中に折り返します。
飾り紐・梅結びの手順③
左の輪を右手前に折り返します。
飾り紐・梅結びの手順④
右の輪を輪の上から②で折り返し人差し指が作った輪の中を通します。
飾り紐・梅結びの手順⑤
2つの端を結び目の上を折り返して自分に向けます。
飾り紐・梅結びの手順⑥
左の輪を⑤の上から右上に折り返します。
飾り紐・梅結びの手順⑦
右の輪を折り返した輪の上から⑤で折り返した紐の下を通し左に引き出します。
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