着物というと正装やきちっとした場所で着るものという印象を持っている方が多いと思います。ですが、中には日常生活で着ることができる普段着用の着物があるというのをご存知でしたか。
すぐに着ることができ、ちょっとした外出の際にも着ていけるのが普段着の着物です。個性を出しながら日本人らしさも出せる、そんな普段着としても使える着物の魅力とコーディネートの一例を紹介していきます。
普段着で着物を着るメリット
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和装を普段着に用いることによるメリットは数多くあります。
まずは着回しがしやすいという点です。一着の着物でも、帯を変えるだけでがらりと雰囲気を変えることができ、長く着ることができます。さらに着物にはトレンドというものがあまりなく、流行に遅れるということがありません。そのためいつまでも着ることができます。例えば一度手に入れれば10年間着続けるということも可能なのです。
また着物には、洋服には無い色使いや模様が多数存在しています。いい洋服がない、飽きてしまったという人こそ普段着着物に挑戦するのがおすすめです。
そしてもう一つのメリットが、周囲の見る目が変わるということです。着物で歩いている人を見かけるとそれだけでなんだか綺麗で、他の人とは違ったインパクトがありますよね。すると周囲の見る目も変わってきます。
このような体験ができるというだけでも、着物を普段着に取り入れてみる価値があります。
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また、「着物を着ながらダラッとする訳にはいかない」と自分自身を引き締めてくれる効果が着物にはあります。帯を締めることにより体全体が引き締まり、綺麗な姿勢が保ちやすくもなります。
着物といえば高価なイメージがありますが、実は安価な普段着用に着られる着物も数多くあります。中には洗濯機で洗えるものもあり、そういったものならば1着数千円で購入することができます。
普段着着物は本当に普通の服と同じように活用できるように考えられています。そして普段着用着物ならば着付けも簡単です。一度覚えてしまえば自分一人で着られるので、ちょっとしたお出かけにも着物で出かけることができますよ。
昔は日本人の普段着が着物だった
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日本人は昔から着物を普段着として活用していました。そういった時代は、戦後である1960年代まで続いていました。
そこから徐々に海外の文化が取り入れられ、着物を普段着として着る人は減ってしまいました。
5~60年前までは普通に着物は普段着として用いられていたのです。着物を着るのにルールはありません。何と組み合わせてもよく、ワンピース等と同じ様な感覚で着ていける、それが普段着着物なのです。
長い歴史を見たら、日本人は洋服よりも着物を着ていた歴の方が長いのです。そう考えると、着物を着るハードルが意外に高くない気持ちになりますね。
着物を普段着として着る時の注意点
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そんな普段着の着物ですが、覚えておく必要のある注意点もあるので紹介していきます。
まず普段着着物とフォーマルなシーンで着る着物は別物だということを覚えておきましょう。結婚式などに赴く際に和装をする場合には普段着着物ではなく、振り袖や訪問着など別の着物を用意してください。
そして動きやすいとも言えないので長時間歩いたり、運動をしたりするような際にも残念ながら向いているとは言えません。しかしそれ以外ならば着ていても問題ないのが普段着着物です。カジュアルに着こなしていろいろな場面で普段着用の着物を活躍させましょう。
次のページでは、普段着の着物コーデを紹介します。