櫛引八幡宮とは
出典:櫛引八幡宮
櫛引八幡宮とは、青森県八戸市にある神社で、平泉合戦にて武功を建てた南部光行が源頼朝から恩賞として糠部郡を拝領し、この地に武家の信仰心の厚い八幡大神を祀ったのがはじまりとされています。
この神社の特徴は、神社の境内のいたるところで河童を見ることが出来る点です。例えば櫛引八幡宮の本殿の脇障子には河童の彫刻が彫られており、全国的に見ても河童の彫刻が彫られているのは非常に珍しく一見の価値は十分あると言えるでしょう。
また、櫛引八幡宮の国宝館には白糸威褄取鎧と赤糸威鎧の2つの南北朝時代の国宝を見ることができ、これらの鎧ではありませんが、鎧を試着することが出来ます。
櫛引八幡宮と河童の関係
出典:櫛引八幡宮
前述したように櫛引八幡宮は本殿に河童の彫刻が彫られているなどなにかと河童に縁のある神社です。
なぜ櫛引八幡宮は河童と縁のある神社なのかというと、日光東照宮の眠り猫を彫ったことで有名な左甚五郎が、櫛引八幡宮の建造に携わった際に柱を誤って切ってしまったため、柱を川に捨てようとすると柱が捨てないでくれと訴えました。
しかし左甚五郎はその願いを聞き入れず川に柱を捨ててしまいます。するとその柱は河童となり、人々を襲うようになりました。
河童の悪事に困り果てた人々が八幡様に救いを求めると鷹が現れ河童を懲らしめたといいます。その河童が鷹に懲らしめられた様を、本殿の脇障子では見ることが出来ます。
櫛引八幡宮の由緒とご利益
出典:櫛引八幡宮
櫛引八幡宮のご利益としては、安産祈願・身体健康・商売繁盛・心願成就・職場安全・学業成就・家内安全・交通祈願・大漁祈願などがあります。
なかでも武運勝負や安産守護のご利益には定評があります。安産祈願は犬の安産にご利益をもらうため妊娠5か月あたりの戌の日に赤ちゃんが無事生まれるように、そして母体の無事を祈ります。
櫛引八幡宮の国宝を紹介
出典:櫛引八幡宮
櫛引八幡宮には国宝館があり、白糸威褄取鎧と赤糸威鎧など国宝に指定されているものをはじめこの他にも国の重要文化財に指定されている鎧が3つ、舞楽面や太刀そして鰐口なども見ることができます。
例えば赤糸威鎧は大袖と兜に菊一文字の装飾が施されているのが特徴で、鎌倉時代の金工芸術の意匠を凝らした作品として知られ、春日大社の赤糸威鎧と並んで装飾の華麗さにおいて、現存する甲冑の双璧と言われています。
また他にも舞楽面陵王があり、陵王とは中国の武将の名で、陵王が奇妙な面をつけて戦っていたことから考案された舞です。元々は戦の勝利を祝う際の舞でしたが、龍をつけていることから雨乞いの舞として重用されるようになったそうです。