伊勢神宮の位置付け
出典:Pixabay
伊勢神宮は、社格制度で分類分けされている神社とは全く異なる存在として認識されています。古くから最も尊い神社とされており、近代社格制度においても、格上でありながらどの社格にも当てはめられなかった唯一の神社でもあります。
元々、神社はそれぞれに奉っているご祭神が異なります。歴史的な価値や規模の大きさなどによっても社格制度の上下関係は異なりますが、このご祭神の格が高ければ、必然的に社格がつられてきます。
その点伊勢神宮というと、天皇につながるとされている最高神・天照大神を祀っている神社ですので、そもそも人間がおいそれと評価したり格をつけたりするようなものではありません。
そのため全く異なる特別な存在として認識されているのです。
神宮と大社の違い
出典:Pixabay
社格制度でも上位にある神社は、多くが神宮や大社といわれています。神宮と大社、いずれも格式の高い神社によく使われますが、実際には明確な違いがあります。
まず、神宮は国内に複数存在しますが、単純に「神宮」という言葉で一つの神社を指す場合には、伊勢神宮を示しています。神宮は、天照大神や皇室の先祖を祀っていることでその名を関することを認められています。
一方、大社は本来出雲大社のみを指していましたが、現在では格式が高く、ある程度規模の大きい神社がいくつか大社と呼ばれるようになっています。
こちらはご神体が何かではなく、その神社が多くの人から信仰されているか、朝廷における神社の取り扱いや格式なども鑑みて、ふさわしい神社を大社と呼ぶようになりました。
日本の歴史と神社の関係
日本では自然界のさまざまなものに神が宿っているという考え方から八百万の神を信仰するようになり、中でもその地域との関わりが深い大木や岩などをご神体とする神社ができるようになっていきました。
その内、ご神体の中でも高天原に存在する神のように格の高い神を信仰している神社を区別するという目的もあり、社格制度が取り入れられるようになりました。
そのため、格付けのための社格制度においても、神社の規模や歴史的な価値だけでなく、ご神体の格が大きくかかわっているというわけです。
いかがでしたか。神社を訪れた際にはぜひ、その神社の由緒や歴史を知り、社格のことも思い出してみてくださいね。