黄八丈とは|原材料や染色方法、平織・綾織を紹介

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黄八丈の黄染めについて

黄八丈の色の鮮やかさ、美しさには、ついつい目を奪われてしまいます。輝きを放つやまぶき色、茶褐色の鳶、漆黒の黒。これらはいかにして、作られるのでしょうか。

黄染めは「黄八丈(刈安染)」と呼ばれます。黄色は、刈安で染めます。刈安は10月末~11月初めまで刈り取りのシーズンで葉、茎、など全ての部位から色が採れます。この美しい黄色を出すには、多くの工程を要します。

黄八丈が完成するまで何度も繰りかえし浸け染めし、一晩浸け翌日、天日干しで乾燥させる工程を20回は繰り返す長い道のりがあるのです。

黄八丈の黒染めについて

黄八丈の黒染めは「黒八丈(椎の木染)」と呼ばれます。工程は、椎木の皮を剥ぎ、煮詰めて染料を作ります。一回ごとに椎の皮を代えて、煮汁を作り、染めていく工程が40回も繰り返し行われます。

仕上げとして八丈島の泥田から持ってきた鉄分入りの泥水に漬け込み色止めをします。こうして、黄八丈が黒染めされ、「黒八丈」となります。

黄八丈の樺染めについて

黄八丈の樺染めは「鳶八丈」と呼ばれます。タブの木の皮で染料をとり色付けされます。染色工程は、黒染めとほぼ同じ工程になります。何度も繰り返し浸けては、染めの繰り返し作業が行われます。

鮮やかな色を生み出すのには、職人さんによる技術と労を惜しまぬ手間暇をかけてこその結果と言えます。樺染めも黒八丈と同様な過程と手間暇をかけて黄八丈から染め上げられています。

黄八丈の織り方

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黄八丈の織り方黄八丈の特徴として、糸に無理がかからず大変丈夫なことにあります。これは、機械織りでは決して出せない手織独特の製法によるからです。黄八丈の織り方は江戸時代から現在まで変わらず脈々と受け継がれています。

織り方には、「平織」(ひらおり)と「綾織」(あやおり)という決まったやり方があります。織り方にも決まった工程があり、熟練の職人による手作業がひとつひとつ行われ生地が作られていくのです。

【平織(ひらおり)】

経糸(たていと)と緯糸(よこいと)とを一本おきに交叉させる基本的な織り方です。平織には柄模様により名称が付けられており、以下のようなものがあります。

二くずし/のげ/べんけい/ななこ/三くずし/千すじ/万すじ

【綾織(あやおり)】

組織り点が斜めの方向に連続し、斜線状をなす織り方です。別名「斜文織(しゃもんおり)」とも呼ばれます。織り方には、以下のようなものがあります。

めかご/風通くずし/たつみあや/太郎左衛門/一松(市松)/ひしあや(菱綾)/杉綾/まるまなこ/よせあや/片あや/足高貴(あしごうき)

黄八丈の魅力

出典:写真AC

黄八丈は、八丈島の天然素材を使って作られている八丈島ならではの産物です。八丈島に暮らす人びとの技術や文化の集大成ともいうべき芸術作品です。島と人間が一体になってこその偶然の産物とも言えます。

古くから伝わる製法や工程は変わることなく、今も色褪せることなく受け継がれています。美しいだけでなく強固な染めと織も黄八丈の特徴です。国の伝統的工芸品や東京都の文化財に指定されたことも納得の一品です。

黄八丈のような多くの手間暇を費やして丹念に染め上げられた魅力溢れる工芸品に、ぜひ一度触れてみてください。

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