【磁器と陶器は何が違う?】磁器と陶器を分けるその特徴を紹介

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普段何気なく使っている食器などの器は、「磁器」と「陶器」の2種類に分けることができ、違いがあることをご存知ですか。

今回はその「磁器」と「陶器」の違いを説明していきたいと思います。

【見た目編】磁器と陶器の違い


出典:写真AC

まず「磁器」と「陶器」の見た目の違いについて説明していきます。

1つ目の磁器と陶器の見た目の違いは、色と触感にあります。例えば茶碗なら底の部分を見て白色で触るとなめらかなのが磁器、茶色や白色で触ってみてざらつきがあれば陶器です。

また磁器と陶器では、釉薬(素焼きした磁器や陶器の表面に耐水性を強化するためにかける薬)の掛け具合が違うので全く違った風合いを醸し出しています。

磁器がつるりとしていて表面に凹凸がないのに対し、陶器は表面が不均一で凹凸があるのが特徴です。

2つ目の磁器と陶器の見た目の違いは、器の厚みです。磁器は柔軟性が高く丈夫なため薄いものから厚いものまで用途に応じて作ることができますが、陶器は頑丈ではないのである程度の厚みを必要とします。

そのため薄い器は磁器であることが多いです。また薄い器で光を通すなら磁器、光を遮るなら陶器と見分けることが出来ます。

【材料編】磁器と陶器の違い


出典:写真AC

次に「磁器」と「陶器」の作り方や材料の違いについて説明していきましょう。

まず材料ですが「磁器」はカオリン・長石・珪石などを砕いて粘土状にしたものを、「陶器」は木節粘土・蛙目粘土などの粘土とひび割れを起こしにくくするために珪石・長石を組み合わせて作ります。

そのため磁器を石物、陶器は土物と呼ばれています。そして、ろくろや手を使って形を整え乾燥させてから素焼き、そして釉薬をかけて本焼きをして完成です。

ちなみに磁器の焼成温度は、1200度から1500度なのに対し、陶器の焼成温度は1100度から1200度となっています。

なぜ磁器の焼成温度は高いのかというと、磁器に含まれている磁器を白くするカオリンや長石などが熱に強く、長石が高温で焼かれることでツヤのあるクリアな美しい磁器を作ることが出来るからです。

【手入れ編】磁器と陶器の違い


出典:写真AC

そして「磁器」と「陶器」の手入れの仕方の違いについて説明していきましょう。

磁器の手入れ方法は磁器の器の表面(特に絵が描かれているもの)やシミ、匂い、カビなどの対処に気をつけることで長く使うことが出来ます。

例えば絵付けされている磁器は金タワシなどでこすると傷や破損の原因になってしまうので使わないようにしましょう。

また絵付けに金や銀などが使われている磁器は、電子レンジにかけるとスパークする危険があるので、その場合は電子レンジの使用を控えるようにしましょう。

他にも磁器にカビや匂いがついた場合は食器用洗剤で洗うといいです。

陶器の手入れ方法ですが、陶器は吸水性が高いので使用前・洗い方・保管などの手入れに気を付けて使うと長く使うことが出来ます。

例えば使用前に目止めをすることで、陶器の隙間を埋め匂いや汚れをつきにくくすることができます。

日本国内で有名な磁器


出典:ぱくたそ

ここまで磁器や陶器の違いについて説明してきました。日本にはどのような磁器があるのかについてご紹介してまいりましょう。

磁器には有田焼(伊万里焼)・九谷焼・清水焼・波佐見焼・砥部焼などがあります。

なかでも有名な有田焼(伊万里焼)は、古伊万里・柿伊右衛門・鍋島の3つの様式に分かれていて、なかでも柿伊右衛門様式の磁器は絵付けの華麗さから大変な人気があり、ドイツの有名な磁器ブランドマイセンは柿伊右衛門様式に影響されて作られたと言われています。

華やかさが磁器の特徴

磁器は伊万里焼や有田焼に見られるような絵付けの華やかさや滑らかさ、透明感、軽さなど様々な魅力を併せ持つ器です。

一方で陶器には表面に凹凸がありざらざらとしていて、使い続けていくうちに新たな表情を見せてくれるなどの魅力があります。

それぞれに違った魅力をもつ器だからこそ、いつまでも人々を魅了してやまないのでしょう。

【磁器との違いって?】陶器の歴史と魅力を解説

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