香道で聞香(もんこう)と共に親しまれている、組香を紹介します。
組香は香の香りの違いを聞き分け香の銘柄を当てる香遊びで、香に対する深い造詣が必要となる高度な遊びです。
まず、香元と呼ばれる主催者が、数種類の香木片を香包と呼ばれる包に納めます。 香包の外見は全く同じなので、参加者には納められた香木の見分けが付かなくなります。 香木をランダムに香炉にかけ、香炉は参加者全員に廻されます。
全ての香を聞いた後に、参加者がどの香が焚かれたかを用紙に記入し提出します。 解答用紙を回収した後、香元が焚いた順に香の銘柄を発表し正解率の高さを競います。
組み香の醍醐味は正解率の優劣を競うことでは無く、非日常の空間で一身に香と向かい合うことであり、無我の境地に達することだと言われています。
香道から漂う日本人独特の美意識
出典:写真AC
一般的に馴染みが薄いとも言える香道は、多くの人にとって未知の世界でしょう。 しかし古くから受け継がれる日本の伝統文化なのです。
香を聞くという表現からも、凝縮された日本人独特の美意識が漂ってきます。 香道人口は他の「道」と比較すると少ない芸道だと言えますが、それだけに奥の深いものだと言えるでしょう。