米が大好きなわたしたち日本人ですが、パンも大好きです。近所に新しいベーカリーが開店?もちろん行きます。天気が悪くても朝からパンを焼けば気分上々、明日はどんなパンを食べよう。考えるだけでワクワクします。
そんな数々のおいしいパンたちを作って提供するのが、「パン職人」です。彼らの存在があってこその、私たちのパンライフがあるのです。ここではそんなパン職人の仕事や職業事情を紹介します。
パン職人とは?
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パン職人はおいしいパンを作るプロです。外国語では「ブーランジェ」といいますが、日本ではそれほど浸透していません。
一般的には数人規模でお店を構え、凝った菓子パンから野菜や肉を使ったシンプルな調理パンまで、様々な種類の手作りパンを提供します。
パン職人の仕事はパンを作るだけじゃない!
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パンはよく知られているとおり、小麦と水から作ります。どんなパンができるかは職人の腕とひらめき次第です。
水分や焼き時間によって出来上がりが変わってくるので、なるべくおいしいパンに焼き上げるために、当日の気温や湿度をチェックする必要があります。 生地の仕込みはまだ日も出ないような時間から始め、店によっては前日の午後から仕込みはじめます。
開店までに複数のパンを焼きあげて店頭に並べます。 従業員が足りなければ、パン職人自らが接客もします。
足りなくなったパンは随時焼き上げるので、お店の雰囲気とは違い従業員は一日中大忙しです。 また、お客さんに満足してもらうために、流行や新商品に関する研究も必要です。
パン職人の年収/勤務体系/福利厚生を紹介
パン職人の年収は平均300万円前後と言われています。自分で開いた店なら立地や評判次第で、ダイレクトに収入が上下します。個人が人通りの多いエリアにお店を持つことは難しいので、お客さんの絶対数から考えても大きな年収は期待できません。
もちろんお店が軌道に乗って従業員も増えていけば、年収500万円以上も可能性として十分あります。
勤務時間は朝の4~6時から夕方くらいが目安となります。 福利厚生については、小規模経営のパン店ではほぼないと考えておきましょう。
パン職人のメリット・デメリットとは?
食べ物を提供するタイプの仕事のメリットは、仕事の意義が明確なことです。特にパンは嫌いな人が滅多にいないくらい万人受けしますから、お客さんが求める限りパン職人の存在意義を疑う余地はありません。
試行錯誤して新メニューを出すのも楽しいですし、食べた人に喜んでもらえるという確信は、仕事を続けて行く上での原動力になります。多くの職業の中でも幸せを感じやすい仕事と言えるでしょう。
デメリットは、楽しいことばかりではなく意外とハードなことです。重い小麦の袋を持ち歩いたり、パンをその都度大量に運んだりしなければなりません。パンをこねるのにも力がいります。
機械化が進み作業の負担も軽減されるようにはなってきましたが、 こういった作業をずっと立って続けるので足にも負担がきます。 女性のパン職人が少ないことにも、体力的な問題がかかわっているかもしれません。
粘り強く諦めない人はパン職人向き!
パン職人は年収も平均程度ですし、体力も必要です。こねて焼くという単調な作業の繰り返しも、創造以上に過酷です。朝から晩まで目の前も頭の中もパンでいっぱいです。 慣れないうちは焼き上げのミスも多々あるので、何度も再トライしなければなりません。
それでもパン職人が続けられる人はやはりパンを愛していますし、食べ物を作るプロとしての誇りを持って仕事に向き合っています。 最低限の体力と料理のうまさ、そして強い覚悟がある人だけが向いている職業と言えます。
パン職人の将来性はあるの?
パンが好きな人がいるかぎり、将来性について心配することはないでしょう。
スーパーやコンビニで買えるパンも最近は美味しくなっていますが、コストや生産の問題上、バリエーションに限界があります。
一方パン職人が作るパンは手間もかけられ、他のお店では買うことができません。 家の近くに手作りのパンを売っている店があれば定期的に利用する人は必ずいます。
将来的な問題といえば、原料の高騰が考えられます。小麦などのパンに使われる原料はほぼ輸入に頼っているので、商品価格や関税の影響がコストを増加させる可能性があります。
もちろん大きく制限されるほどの貴重な原料はありませんが、パン職人になる以上はリスクとして覚えておいた方がいいでしょう。