千年以上の歴史を持つ「常滑焼」長い間愛されるその魅力とは

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常滑焼とは


出典:写真AC

常滑焼とは、愛知県の常滑市周辺で焼かれる陶器の呼び方で、日本六古窯の中の1つでもあります。

始まりは平安時代とされており、常滑市周辺で発見されただけでも1200基以上の古窯が確認されています。 常滑焼は急須などの茶器や食器、置物が作られることが多く、原料に含まれている鉄分を発色させた赤みがかった茶色をしているものが多いという特徴があります。

知多半島の鉄分を多く含む土を使用しているので独特の色味があり、渋さのあるモダンな姿から人気が高くなっています。

常滑焼といえば中でも急須が有名ですが、近年では多様に色付けがされ色や形も種類が豊富となっており、新しさを感じる急須や伝統的な色味など様々な急須があります。

常滑焼を代表する朱泥急須


出典:Wikimedia Commons

朱泥とは鉄分の多い粘土を焼いて作った陶器のことで、朱泥急須とは常滑焼を代表する焼き物です。

日本で急須といえば常滑焼という程に有名であり、真っ先に「急須」として常滑焼の赤茶色の姿を思い浮かべるほど日本人には馴染みのあるものです。

単に有名であるだけではなく、長い歴史のある常滑焼の急須は、重要文化財にも指定されていることからも、日本の大事な文化として長年受け継がれています。

そして常滑焼の急須を使ってお茶を入れると、まろやかでお茶がより美味しくなる効果があると言われています。 お茶にはタンニンという成分が入っていることが有名ですが、そのタンニンと常滑焼の特徴である朱泥の鉄が反応をすることで、まろやかでトゲのない味になります。

お茶には好みもあるので渋いお茶を好む人もいますが、苦みや渋みなども弱くなるので飲みやすい喉越しの良い美味しいお茶になると言われています。

常滑焼の廃材で作られた土管坂


出典:写真AC

土管坂とは、常滑市にある明治時代の常滑焼の土管と昭和初期の焼酎瓶でつくられた坂のことです。 常滑の観光地としても有名で、道の脇の片側が常滑焼の土管、もう片側が常滑焼の焼酎瓶でつくられています。

そして道の両脇だけでなく路面は常滑焼の廃材でつくられているので、道全体が赤っぽく彩られていて美しい景観となっています。 常滑らしい景観で散歩道の途中にあるので寄りやすく、坂道といっても短い坂なので観光にピッタリです。

個性的な坂道なので写真を撮る人も多く、まるで不思議な世界に吸い込まれたような空間となっています。 近くにカフェなどもあるので、観光や散歩として人気が高くなっている場所です。

常滑焼が楽しめ常滑焼まつり

常滑焼まつりは、常滑市で行われているお祭りです。 常滑らしく陶器がメインの祭りとなっていて、その場で常滑焼を購入できるようになっています。 中には格安で販売されているものや限定品、めったに見ることができない珍しい常滑焼の作品も置いてあることがありますから観光にも買い物にもピッタリです。

開催される日程はその年によって違いますが、10月中旬の土日2日間にわたって行われることが多いです。 会場がいくつかありますが、時間はだいたい朝の9時から夕方ごろまでで各会場と駅をシャトルバスが走っているのでアクセスもしやすいです。

駐車場もありますが当日は込むので、早めに行くか電車で常滑駅に向かいシャトルバスを利用すると効率が良いです。 買い物や陶芸体験、実演だけではなくグルメ屋台などもある活気のあるお祭りとなっています。

独特の色味が魅力の常滑焼


出典:写真AC

常滑焼の魅力はなんといっても独特の色味です。 現在では赤い朱泥だけでなく様々な色の急須がつくられていますが、どの色も深みがある日本人の好みに合うような落ち着いた色味をしています。

日本には昔からお茶を飲む文化がありますが、急須もこだわった自分好みのものを選べばより美味しくいただくことができます。 また常滑焼の作品には急須以外でも置物や食器なども多数あるので、喉だけでなく目でも楽しむことができます。

どこか懐かしくも洗練されたデザインと落ち着く色味が常滑焼の魅力です。

実際に手にとって眺めてみると、きっとじんわりとその魅力が伝わってきます。 日本に古くからある大事な文化、知らないままでいるのはもったいないかもしれません。

 

「常滑焼と言えば急須」その理由とは?

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