日本の手仕事の種類その4【料理人】
レストランや料亭、カフェや居酒屋など、多様な飲食店で食事を作る「料理人」の仕事も、手仕事の『種類』のひとつです。勤務先やジャンルによって担当する業務内容は大きく異なっており、必要な経験やスキルも多岐に渡ります。
呼び名も色々なものがあり、一般的には、日本食の料理人は「板前」、菓子職人は「パティシエ」、西洋食は「コック」、その長は「シェフ」などと呼ばれます。
ホテルに料理人として雇用されることもありますし、結婚式場やケータリング会社、学校や企業の食堂という勤務先もあります。キャリアを積んだ料理人であれば、アドバイザーやメディア出演などもあるでしょう。
料理人の仕事は、資格がなくても務めることが出来ます。しかし「調理師」として働くことが出来るのは、専門の国家資格を獲得した人に限られています。
資格を持つことで技術と知識に信頼が付されるため、求人によっては調理師関係の資格を必須条件にしている場合もあるでしょう。
調理師以外にも、特定の資格を持っていると料理人として優遇されやすいことがあります。自分でレストランをオープンしたり、勤務先で責任ある立場にキャリアアップしたりしたいという人は「食品衛生責任者」を、製菓業務であれば「製菓衛生士」などを取得しましょう。
「栄養士」や「管理栄養士」などは、学校給食の分野でも役立ちますし、乗船する料理人は「船舶料理士」が良いでしょう。特殊食材の調理としては、「ふぐ調理師」の資格も知られています。
また、料理人の仕事は調理に限られません。食材の仕入れをしたり、新しいメニューを開発したりすることもあります。勤務先によっては衛生管理をしたり、店のコンセプトを考えたりすることもあるでしょう。
人材教育を担当することもあれば、経営面に携わってくることもあり得ます。調理道具の手入れや、営業時間後の後片付けなども含まれて来るでしょう。
規模の大きな勤務先の場合、下積み時代は掃除や用具の準備、食材の運搬や仕込みなどだけで仕事が終わってしまうこともあります。厳しい修行をこなしてきた、腕利きの料理人だけが達せる領域に到達するのは、長い道のりになりそうです。
日本の手仕事の種類その5【農家】
農作物を育てる「農家」の仕事も、手仕事の種類のひとつと言えるでしょう。しかし一口に農家と言っても、様々な農家があります。手掛けている作物の種類や、実践している農法、規模なども大きく異なります。代表的な農家の種類をチェックしてみましょう。
「稲作農家」は数ある農家の中でも、日本人が特にイメージしやすい仕事のひとつです。田んぼを整え、米を作り、パッケージにして出荷まで持っていきます。品種が豊富なので、それぞれの米の品種に合わせた管理が必要になります。天候や病気の対策も欠かせません。
「野菜農家」も何かと目にする種類の農家でしょう。トマトもネギもスイカも、野菜農家が育てている農作物です。国産のものにこだわる人が増えているため、重宝されやすい仕事とも言えます。
高い売り上げを目指しやすい種類としては、「果物農家」が挙げられるでしょう。イチゴやミカン、リンゴ、ブルーベリーなど、日本では様々な果物が収穫されています。
ハウス栽培という種類の栽培法が浸透してきたため、一年中収穫できるようになっているのです。
果物は、数ある作物の種類の中でも、市場での付加価値が高いという特徴があります。そのため米や野菜の農家が田畑の手入れシーズンに、果物を育てることもあります。
「花木農家」も高いニーズがある種類の農家です。鉢植えの植物から花束にされる花まで、様々な花木を栽培する仕事です。水や日照時間の繊細なコントロールが必要になのが特徴です。大規模な施設を備えているところも少なくありません。
農家は土を作り、種蒔きや苗植えを行い、肥料や水替えをし、実った農作物を収穫して出荷まで行います。稲作であれば刈り取った稲を乾してから脱穀し、梱包して出荷するまで、数多くの種類の仕事があります。経営や人材教育などの仕事も発生しますし、プロモーションを行うこともあるでしょう。
多様な種類がある手仕事の魅力を知ろう
手仕事の大きな魅力とは、人の手ならではの繊細な仕事が実現することでしょう。機械化の普及により、様々な種類の仕事が、迅速かつ大量にこなせるようになりました。手間や時間がかからない分、手頃な価格で、数多の製品を手に出来るようになっています。
それでもなお、人が積み重ねた技術や知識をフルに活用した「手仕事」は、未だ多くの人に求められています。高品質の加工や良質な仕上げには、手仕事だからこそ実現するものもたくさんあるのです。
大量生産・大量消費の中で一目置かれる仕事がしたいという人は、手仕事に携わる道を考えてみてはどうでしょうか。