寄木細工の歴史と魅力を紹介

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寄木細工は、その見た目の完璧さと美しさから人気を集める歴史ある伝統工芸品です。ぴっちり揃った木目は、一見しただけでは木でできているとは思えないような正確さがありますよね。その正確さを利用した小さな仕掛けやギミックなども、寄木細工の大きな魅力です。今回はそんな寄木細工の歴史と魅力に迫ります。

寄木細工とは

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寄木細工とは、様々な種類の木材を組み合わせて色合いの違いを利用しながら模様を描く木工技術のことをいいます。17世紀半ばに誕生した浅間神社設立にあたって、全国各地から集められた職人によって考えられたものです。江戸時代の中期には土産物として人気を集めるようになっていました。

特に木材が豊富にあり、箱やタンスを作る木工を生業とする村人達が多かった箱根南部の畑宿で、寄木細工は発展しました。湯治客で賑やかな箱根の寄木細工職人はそのまま定住し、技術も向上していきました。その優れた技術が認められ、昭和59年には通商産業大臣より伝統的工芸品として指定されました。 江戸時代から現在まで、長い年月継承されてきた寄木細工の技術は、今でも受け継がれています。

寄木細工の作られ方

寄木細工は、寄木の模様や色合いに適している木材をそれぞれの厚さに削り、積み重ねたものを圧着して作られます。模様を美しく出すために作業の要所要所で接着剤として膠(にかわ)を塗布し、かんなで正確に削ります。寄木細工のずれのない完璧な模様は、職人の手によるこの精緻な作業を通して生み出されます。

こうして完成した寄木細工の模様は種木とよばれ、金太郎飴のように鋸で切断して並べられます。並べた種木をさらに接着し、かんなで削って一枚の紙のようにしたのが、「ズク」と呼ばれるものです。ズクは縮みが出ないようアイロンで展ばされ、化粧材として使われます。

このように寄木細工は、木目や色合いの微妙な配置で生まれる味の違いと、研鑽を積んだ職人の手による完璧な手仕事とで成り立っているのです。

寄木細工の模様について

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寄木細工の模様には、亀甲、市松、七宝矢羽、麻の葉、きりちがい升があります。 亀甲は、文字の通り亀の甲羅をモチーフにした六角形を繋ぎ合わせた模様です。市松は、色違いの正方形を交互に並べている模様になります。 七宝矢羽は、七宝模様と矢羽根模様を組み合わせた模様になっていて、バリエーションも豊かです。

同じ大きさの円を4分の1ずつ重ねていく七宝模様は、円満調和などの意味があります。「矢羽」という言葉には魔除けの破魔矢や、的を射るといった意味があります。 麻の葉は文字通り麻の葉を、きりちがい升は風車を、それぞれモチーフにした模様です。

模様のパターンは色々ありますが、すべてに共通しているのは中心点が外れないということです。シンプルでありながら、日本美を感じさせる模様となっています。

寄木細工の秘密箱とは?

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寄木細工の秘密箱は、箱根細工の代表的な作品となっています。内部や表面に施された仕掛けから、からくり箱などとも呼ばれたりします。秘密箱が作られたのは江戸時代後期の1830年頃で、箱に施されている仕掛けを解除しないと、箱が開かないようになっているのです。

秘密箱はもともと、宝石や硬貨などの貴重品を隠すために作られました。天然の木の色を美しく配合して作られた寄木細工の秘密箱は、日本だけではなく外国人からも人気があります。 仕掛けの数も、4回、7回、10回、12回と種類があります。大事なものを隠しておくのに最適かもしれませんね。

寄木細工の魅力

お店で売っている寄木細工の定番商品には、万華鏡や掛け時計、ひな人形などがあります。アイデアも満載で種類も豊富にあり、木で作る物ならなんでもできてしまうというのが寄木細工の魅力になります。 普段使いできる逸品をお土産品として購入するのもいいかもしれません。ぜひ手に取って、寄木細工の魅力を感じてくださいね。

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