宮大工の気になる年収
宮大工に限らず、大工の仕事全般に言えることですが、収入は高収入と言えます。
経験年数などによっても収入は違いますが、日当の目安として、見習いで1万円前後、それ以上の経験者で1.5万円ほど、棟梁(とううりょう)クラスでは3万円前後が相場です。大工さんの場合、天候に左右される仕事ですので、月収には、ばらつきが出てしまいます。
年収で考えると見習いで350万円から400万円、一人前となると600万円前後、中には、年収1,000万円超える宮大工も存在します。また大工の場合は、高年収な分、過酷な現場作業ということもあり、現役で活躍できる期間が短いのも事実です。
宮大工のメリットとデメリット
宮大工を仕事にするメリットとしては、宮大工としてのプライドや誇りが持てるということです。長い歴史の中で積み上げられた伝統工法を繋げていくという重要な役割を担っている誇りです。
そして、施行が無事完了した時の喜びと仕事をやり終えた達成感ではないでしょうか。これは、物を作るという職人ならではのこだわりと結果を出したことの満足感があることでしょう。
宮大工のデメリットとしては、修業年数の長さがあります。これは宮大工のひとつの特徴とも言えます。一般的な大工さんの修行期間は、個人差もありますが2,3年と言われています。しかし、宮大工の場合は、一人前と呼べるのには、5~10年もの歳月が必要と言われています。
宮大工に向いてる人、向いてない人
宮大工に向いている人は、どんな人でしょうか?
まず、大工としての資質として必要なのは、体を動かして働くのが好きな人です。そして、暑い時も寒い時もあり、天候条件にも左右される過酷な外の現場での作業となりますので、健康で体力に自信がある人が宮大工に向いている人と言えます。
そして修行期間が長い為に、忍耐力も必要とされます。修行時代は掃除や刃物研ぎ、材料の運搬など地味な作業が多いことから、それを前向きに受け止め続けられる人です。
また技術の習得には、先輩の宮大工が手取り足取り、丁寧に教えてくれるわけではないので自ら技術を学び、盗んで成長していける人、そして日々、努力を怠らず技術の進歩に向き合える職人気質の人が向いていると言えるでしょう。
また宮大工は、技術や知識の他に手先の器用さと芸術的センスも必要とされます。向いていない人は、じっくり取り組むことが苦手な人です。また注意力散漫な人も向いていません。不器用でもコツコツと前向きに努力できると技術は後から習得できます。
宮大工の現状と将来性
出典:ぱくたそ
宮大工の現状と将来性ですが、寺社仏閣の工事の仕事は非常に厳しいのが現実です。寺社仏閣の新築工事自体が減少していることも前提としてありますが、工期の長さやコスト面を考慮して伝統的な木組み工法自体のニーズが低下しているのが実情です。
その為、宮大工の需要も減少しているのが実情と言えます。また、仕事を確保するために寺社仏閣だけを扱うのではなく、一般的な建築も受注する工務店もあるのです。しかし、どんなに新しい建築方法が主流となったとしても宮大工の存在は必要となるでしょう。
既存の寺社仏閣は経年劣化による改修工事が必ず必要となります。また日本の素晴らしい文化、建築技術を後世に継承していくのも重要事項とされています。日本の文化を守っていく為にも、宮大工の仕事がなくなるということはあり得ません。
宮大工になるには?
出典:ウィキペディア
宮大工になるには、一体どうしたらよいのでしょうか?また資格なども必要となるのでしょうか?
実は宮大工になるための学校が存在します。しかし、その数は非常に少なく限られています。その他の方法としては、弟子入りがあります。そもそも学校に通う必要はなく、学校を出なくても棟梁のもとに弟子入りをし、修行して習得するのが一般的とされています。
宮大工になるための専門の教育機関としては、以下のような学校があります。
・日本建築専門学校
・伝統文化と環境福祉の専門学校
・ものつくり大学の技能工芸学部建設学科
では次に、宮大工になるには資格は必要なのでしょうか?
実は特別な資格は必要ありませんが、建築大工技能士という国家資格があります。1~3級があり、1・2級建築士をとれば設計ができ、1・2級施行管理技士をとれば施行管理ができます。宮大工の世界では、現場第一主義であり、現場で培った確かな技術が必要とされています。神社仏閣の建築物は「木組み工法」です。
一般的には用いられない特別な工法の為、専門的な技術、知識、経験が必要とされるのです。「知識は現場で学んでなんぼ」という世界でもあります。
そんな宮大工の現場を見てみたくはないですか?大人の職場体験予約サイト「ココロミル」では釘を使わない職人技術、宮大工の体験を行っています。
【有限会社織戸社寺工務所】世界に誇る日本建築を知る!宮大工体験
この体験では、世界に誇れる日本の芸術『社寺建築』を創造する宮大工の技術を間近で見れるだけでなく、継手制作やかんな体験もできます。
また、宮大工の技術に関する座学もあるので充実した体験となること間違いなし!
職人さんが丁寧に指導してくださるので初心者の方でも安心して体験することができますよ。
体験先:有限会社織戸社寺工務所
住所:千葉県習志野市茜浜1-2-7
アクセス:京葉線「新習志野駅」より徒歩14分
体験時間:13:00 ~ 16:00 (3.0時間)
体験費用:6,700円