京都の伝統工芸品を持ち歩く
文化の都、京都。老舗が多く、職人と呼ばれる人たちも多く住んでいる京都には、様々な伝統工芸品が存在します。国内だけでなく海外のファンも多い京都の伝統産業ですが、少し敷居が高く感じてしまう方も多いのではないでしょうか。
しかし、京都で生み出される工芸品には普段から使っていきたいと思える良質なものがたくさんあります。
こちらでは、そんな世界に誇る京都の粋な伝統工芸品を、日本人にとって身近な温泉巡りと絡めてご紹介していきたいと思います。
温泉で使いたい京都の伝統工芸品
竹工芸
京都の竹工芸の歴史は平安時代に遡ります。当時は建築材料としての使用が顕著に見られました。
そこから時代とともに様々な変容を遂げ、現在では茶道具からインテリアまで幅広い活躍を見せています。恵まれた気候と風土から良質な竹が多く取れる京都ならではの工芸品です。
出典:竹工房 喜節
そんな竹工芸の技術をファッション分野で取り入れたものの1つに「竹製バッグ」があります。これは、竹工芸職人によって1つ1つ手作業で編まれており、竹の持つ質感や色合いなどが存分に生かされたモダンな鞄です。
出典:竹工房 喜節
温泉街を歩く際などに持ち歩いても、涼しげで気取りすぎない素朴なデザインになっています。竹独自の風合いも浴衣によくマッチし、なおかつ持つ人を選ばないので女性も男性も気軽に持てる点が魅力的です。
温泉で使える小物(伝統工芸品)
黒谷和紙
約800年もの歴史があるという黒谷和紙は、京都市から北へ外れた綾部市の伝統工芸品です。楮(こうぞ)という植物を用いて、1工程ずつ手作業で丁寧に仕上げていきます。
黒谷和紙は障子などの紙として生産されていましたが、時代の変化と共にハガキからクッションまで生活上のありとあらゆるものに組み込まれてきています。
その一方で、昔ながらの手漉きにこだわり、現在も機械に頼らない姿勢には、このような時代の変化に柔軟に対応しつつも昔と変わらない黒谷和紙を守り抜いてきた職人達の魂が感じ取れます。
出典:黒谷和紙
ここでオススメしたい温泉巡りのお供は、黒谷和紙の「小銭入れ」です。この小銭入れは全て和紙でできているので、とても軽いです。それでいて強度が高く、使えば使うほど手に馴染みます。この強度は手漉きのなせる技です。
温泉はなるべく身軽でぶらぶらしたい方にとって、入浴料やちょっとした食べ物・飲み物代を入れておくのにちょうどいいのではないでしょうか。
京扇子
京都で作られた「京扇子」は、平安時代から続く伝統工芸品のひとつです。現在では多種多様な色やデザインのものが生産されており、ファッション性と実用性を兼ね備えています。また、耐久性も高く使えば使うほど手に馴染んできます。
扇子の魅力は何と言っても涼を持ち運べるという点にあり、温泉巡りでは活躍すること間違いなしです。浴衣の袖に忍ばせてみたり帯に差してみたりすると小粋な感じがします。
京扇子は分業制で各工程に職人が存在するので、様々な職人の技術の結晶でもあるのです。どうせ持ち歩くなら京都の職人が手がけたこだわりの一本を持ってみると、温泉の旅がさらに楽しくなること請け合いです。