古い町並みが残る内子の中の町家で営まれている「うちこの和 手しごと職人の家」。伝統工芸品の雑貨の販売や手作り体験ができる素敵なお店です。お土産を選んだり、オリジナルの工芸品を作ってみたりと、日本の繊細なものづくりをめぐる楽しいひとときが過ごせます。
内子の町並み
愛媛県の南予地方の内子町は、山に囲まれた小さな町です。内子町は江戸時代後期から明治にかけて、ハゼの実からとる木蝋の生産で栄えた町です。和ろうそくの材料である木蝋は、口紅やクレヨンなどの材料にもなります。内子は日本最大の木蝋の生産地となり、海外にも輸出されていました。内子の商人たちは、小さな町に独自の町並みと文化を生み出したのです。
その後木蝋産業は衰退しましたが、町並みは当時のまま残りました。町並み保存が観光資源として今ほど評価されていない時代から、内子は保存に取り組み、状態の良いままで昔ながらの町並みを残しています。「八日市護国の町並み」は1982年から重要伝統的建造物群保存地区に制定されました。
うちこの和 手しごと職人の家
そんな内子の八日市護国の町並みの中に「うちこの和 手しごと職人の家」はあります。築140年の古民家を使った一軒です。
運営しているのは「内子手しごとの会」。平成の大合併で内子町、五十崎町、小田町の3町が合併して新内子町が生まれたことから、地域の職人さんたちがそれぞれの強みを活かして、新たな商品開発をしていこうという活動を行っています。
内子彩あんどん
中でもひときわ目をひくのが「内子彩あんどん」です。内子の木工会社が企画開発しています。白木や古色塗りの枠に格子をはめ込んだものと、柿渋で染めた和紙に切り絵を施してはめ込んだものの2タイプがあります。
やわらかな光が和の空間をつくりだし、モダンなインテリアにもマッチします。切り絵タイプは、注文にも応えてくれてオリジナルデザインにも対応しています。
日本が誇るべき全国の地方産品Wonder500にも認定されています。平成21年度の21世紀えひめの伝統工芸大賞準大賞も受賞し、「えひめのすごモノ」にも選ばれています。
手しごとの体験
「うちこの和 手しごと職人の家」では、さまざまな手作り体験もできます。手作りキットがあり、丁寧に指導してもらえます。参加費は2,000円。柔かな光の行灯が完成します。
あんどん作り以外にも、
・木細工(木のへら、木のパスタへら)
・和ろうそくづくり
・燭台づくり
・切り絵
・ギルティング和紙
などなどさまざまな手しごとの体験があります。
また「内子あでカワプロジェクト」としてレトロな内子町並みを着物で街歩き体験ができる「着物着付け体験」も用意され、着物レンタルと着付けもしてくれます。フォトジェニックな街で素敵な着物写真が撮れますね。
「内子あでカワプロジェクト」
https://www.facebook.com/uchikoadekawaproject
「うちこの和 手しごと職人の家」をご紹介しました。職人さん達が伝統に則って作った和のグッズがたくさんそろっていろいろ欲しくなってしまいます。手づくり体験もここでしかできないものも多く価値があるので、ゆったり内子をまわる際に是非体験してみて欲しいものです。
内子の町並み保存地区は、こじんまりしている中に、歴史的な建築物があったり素敵なお店があってとても素敵なところです。愛媛にお立ち寄りの際は、ぜひ足を伸ばして内子にも訪れてみてください。
うちこの和 手しごと職人の家
住所: 愛媛県喜多郡内子町内子2899-2
電話番号:0893-44-7776
公式HP:http://u-tesigoto.sakura.ne.jp/
文・写真/あかつき