国宝に指定されているお城は全国でも5つしかありません。そして、そのひとつが彦根城です。また、誰しもが知っているひこにゃんは、ゆるキャラの元祖と言っても過言ではありません。このように彦根は古いものと新しいものの融合が魅力的な街です。
また、圧倒的な知名度を誇る彦根城のほか神社仏閣などが集中しており、見どころの多い観光地となっています。そんな彦根に行ったときの土産として最適な、伝統的な和菓子屋、いと重菓舗について紹介します。
いと重菓舗と彦根城の歴史
1600年の関ヶ原の戦いの後、この地域を与えられた井伊氏によって築かれた彦根城は400年以上もの伝統を誇る日本国内でも有数の城です。日本各地に城は残っていますが、そのほとんどが火事などで消失している一方、彦根城は天守が現存しており国宝にも指定されています。
第13代藩主であった井伊直弼は江戸幕府の大老をつとめ、幕末にはアメリカとの修好通商条約締結に貢献し、今では歴史上の人物として欠かせない存在です。しかし、実は若い時期には藩主としての継承順位が低く、埋木舎(うもれぎのや)と呼ばれている屋敷で、文武を極めるべく、禅やお茶、学問に没頭しました。その屋敷名にちなんで名付けられたのが、いと重菓舗の代表的なお菓子である埋れ木です。
彦根発祥の和菓子屋さんであるいと重菓舗の歴史は古く、文化6年(西暦1809年)までさかのぼります。創業者の糸屋重兵衛が現在の名前の由来となっており、200年以上もの伝統があります。
いと重菓舗が創業した約6年後に井伊直弼は誕生しており、茶道にも造詣が深かったことからお茶菓子として実際に現在も売られている「益寿糖」「柳のしずく」などに関わっていたとされています。
井伊直弼も食した彦根のお土産におすすめの和菓子
200年以上もの伝統がある中で、益寿糖は当時から同じ製法で作られているお菓子で、求肥に和三盆をまぶして作られています。シンプルで素朴な外観で、当時の井伊直弼も嗜んだようにお茶菓子としても最適です。こちらは現在のところ予約販売のみとなっているので、購入したい場合には、1週間ほど前までに予約が必要です。
また、柳のしずくは井伊直弼が自ら木彫りの型に文様を刻んで落雁を作っていた歴史から、当時そのままの文様を使用して作るお菓子です。現在ではバターや餡を使用した風味豊かなお菓子となっており、井伊直弼の時代の古くから伝わる伝統と新しい技術を応用したお菓子となっています。
彦根のお土産といえばいと重菓舗の「埋れ木」
当時より井伊直弼と非常に関わりの深かったいと重菓舗ですが、お菓子作りへのこだわりはその当時より変わらず継承されています。北海道産の原料を使用した自家製の餡に、徳島県原産の厳選された和三盆、そして地元彦根の卵をたっぷりと使用して作られており、外観だけではなく味わいの豊かさも追求しています。
創業当時から伝わる益寿糖や柳のしずくも人気ですが、一番人気の商品が埋れ木です。埋れ木は、甘さ控えめの白餡を求肥で包み、さらに抹茶と和三盆を混ぜて作られた砂糖をまぶしたお菓子です。まずはじめに、抹茶の香りが感じられ、ほろりととろける食感があり、続けてしっとりとした風味豊かな白餡があらわれる埋れ木は、旅のお土産としてもお茶菓子としてもオススメです。様々な香りと食感、風味が一度に楽しめ、煎茶や抹茶などお茶の香りも引き立てます。
彦根旅行のお土産に いと重菓舗のお菓子はどこで手に入るか
いと重菓舗のお菓子は、彦根市内や滋賀県内の各種お土産ショップで購入することができます。そして彦根城観光の後に立ち寄りたいのが、いと重本店と井伊直弼との歴史に触れることのできる、いと重ギャラリー店、そしてカフェも併設された、いと重駅前通り店です。それぞれ伝統的な彦根の家屋風の作りとなっており、彦根城の余韻を楽しむことができます。
歴史を感じるお土産として
国宝である彦根城を要する彦根由来の、いと重菓舗のお菓子は、この地に根付く歴史の片鱗を垣間見ることができるお土産として最適です。旅の思い出話とともに、大切な方に送ってみてはいかがでしょうか。