和歌山県の黒飴「那智黒」は熊野古道の土産に最適

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

和歌山県南部から三重県南部に連なる熊野には、熊野那智勝浦大社、熊野速玉神社、熊野本宮大社など様々な神社があり、日本の神道の聖地として古くから知られてきました。2004年には、「紀伊山地の霊場と参詣道」としてユネスコの世界遺産登録が行われた地域に当たり、年間を通じて国内外からの参拝者で賑わっています。

世界遺産登録された地域として知られる那智という名前が付いた、那智黒総本舗の那智黒あめは真っ黒な色をしていて、香り豊かで濃厚な味が特徴的です。那智や熊野のみならず、和歌山県のお土産として古くから親しまれています。

和歌山にある世界遺産・熊野古道と那智黒の関係

yuzuminさん(@suming7878)がシェアした投稿

熊野には非常に多くの見所があり幅広い範囲に点在していますが、その中でも有名なのは那智の滝と熊野那智大社です。高さ、水量とともに日本一を誇る那智の滝は荘厳な熊野の雰囲気の中で白い神として崇められており、存在感のある名所です。

また、そのすぐ近くにある熊野那智大社は、熊野速玉神社、熊野本宮大社とともに熊野三山と言われています。熊野那智大社は、467段の石段の上にあり標高330mの高さにそびえる、真っ赤な色をした社が参拝客の目を楽しませています。また、サッカー日本代表のユニフォームにデザインされているカラスは、この神社に納められている“八咫烏(やたからす)”という3足の足を持つカラスから着想を得ているとされています。

このような名所が数ある地域で生まれた那智黒あめの由来は、熊野地方で産出されている取粘板岩の一種である「那智黒石」から考え出されました。那智という地名は和歌山県に位置していますが、この那智黒は三重県側で取ることができると言われています。このことから、熊野地方が和歌山県から三重県にかけて幅広い地域に属していることがわかります。

那智黒の色はくすみがなく、非常に真っ黒で碁石や硯として使用されてきました。その真っ黒い色をした那智黒に見立てて作られたのが、黒あめ那智黒と呼ばれている飴です。

熊野のお膝元、和歌山では馴染みある「那智黒」

uniconicoさん(@uniconiconico)がシェアした投稿

那智黒あめを製造しているのは、和歌山県東牟婁郡太地町に本社を置いている那智黒総本舗です。和歌山県南部に位置している太地町は太平洋に面しており、古式捕鯨発祥地としても知られています。那智黒総本舗の創業は明治10年(西暦1897年)、日本が開国してまもなくの頃で、その後世界中で起きた戦争中も懸命に営業を続け、今日まで至っています。

昭和の時代には、天皇皇后両陛下が当地を訪れた際のお土産としても選ばれました。また関西で那智黒あめを一躍有名にしたのは、関西地方を中心に放送されていたテレビCMでした。軽快なダンスや歌とともに紹介された那智黒あめのテレビCMは、昭和47年から58年まで10年以上もの長い期間、お茶の間で親しまれました。

「那智黒」の味を守る伝統的製法

真っ黒な那智黒あめの色の元となっているのが、原材料として使用されている黒糖です。奄美群島徳之島から産出される太陽の恵みをいっぱい浴びたサトウキビから、昔ながらの製法を守った直火炊きにより那智黒あめは作られています。那智黒あめは、のど飴としても広く知られていますが、この製法を行うことによって天然のミネラルがぎゅっと凝縮され、栄養価の高いものとなります。

那智黒総本舗の那智黒あめは、100年以上ずっと変わらない製法にこだわり続けた一品です。関西では風邪のひき始めに、喉の調子が悪い時によく選ばれることが多い那智黒あめは老若男女問わず、親しまれています。和歌山県、熊野を訪れた際の、現地発祥のお土産として世界遺産登録された後、改めて注目が集まっています。

和歌山県を訪れたらぜひ購入したい、定番のお土産「那智黒」

関西ではおなじみのお土産として、関東では那智に行った際の記念として那智黒総本舗の那智黒あめは魅力的です。喉のケアを行いながら、黒糖の優しさや懐かしさも感じることができる、和歌山を観光するなら外すことができない人気のお土産となっています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加