幻の米を使用した日本酒も 「吟醸王国」山形の地酒5選

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蔵王、鳥海、出羽三山などの名峰があり、豊かな自然に恵まれた山形。上質なお米と山から湧き出る銘水を生かし、昔から酒づくりがさかんに行われてきました。現在は県内に50を超える酒蔵があり、「吟醸王国」と呼ばれることもあるのだとか。

山形の地酒5選をご紹介

突出した個性を持ち、世界に名を知られる酒蔵も点在しています。今回は、純米酒好きの筆者が旅先でチョイスした、おすすめの地酒を5本ご紹介!

東光 出羽の里 純米吟醸原酒


米沢藩上杉家の御用酒屋として慶長2年(1597年)に創業し、「東光」ブランドで知られる小嶋総本店。吾妻山系の伏流水と県内産の酒米で仕込んだお酒は、柔らかく旨みのある味わいが特徴です。

おすすめは、酒造好適米「出羽の里」を100%使用した純米吟醸酒「東光 出羽の里 純米吟醸原酒」。香りは華やかで女性的なイメージもありながら、アルコール度が高く飲みごたえ十分。舌に感じる甘みと酸味、すうっと喉に流れるキレのよさも魅力です。

特別純米酒 若乃井 秋宝

冬には大雪が降り積もる西置賜郡飯豊町で、酒づくりを行う若乃井酒造。年間を通じて気温2度、湿度90%を保つ「雪室」を利用して、特別純米酒を長期低温貯蔵しています。

春夏秋冬の名前が付けられた四季シリーズのなかから、「特別純米酒 若乃井 秋宝」をピックアップ。9月〜11月限定で出荷される、生詰めのひやおろしです。飲み口はすっきりしているのに、ウイスキーのようなコクと熟成感もある不思議なおいしさ! シンプルな野菜料理や魚介に合わせる食中酒としても最適ですよ。

上喜元 純米吟醸 山田錦


「上喜元」の造り手である酒田酒造は、昭和21年(1946年)に男山・養老・藤屋・千里井・玉の川という5つの造り酒屋が1つになって生まれた蔵元です。伝統的な生もと造りにこだわり、吟醸酒を中心に上質な地酒を醸し続けています。

「上喜元 純米吟醸 山田錦」は、酒造好適米の山田錦を55%まで磨いてつくられています。微発泡ワインを思わせる舌ざわりに適度な酸がバランスよく、洋梨やバナナのようなふんわりとした甘みも感じられる美酒です。

裏・雅山流 本醸造無濾過生酒 香華


米沢市南部に位置し、自社田で栽培される酒米『出羽燦々』や地下水を使って醸造を行う新藤酒造店。「九郎左衛門」「富久鶴」「雅山流」など、温故知新の精神でつくられる銘柄はどれも、全国の日本酒ファンから厚く支持されています。

注目は、「雅山流」の対極として生まれた「裏・雅山流」シリーズ! 低温仕込みの「裏・雅山流 本醸造無濾過生酒 香華」は、爽やかさやフレッシュさを全面に押し出したような仕上がりです。やや辛口でビターな味わいもあり、軽やかな和食にもぴったり合いそう。

鯉川 亀治好日 純米吟醸


享保10年(1725年)に創業した鯉川酒造は、有名な「亀の尾」の原産地でもある余目町で、地元の米にこだわった純米酒づくりを続けています。幻の米だった「亀の尾」の栽培を復活させたことでも有名です。

「鯉川 亀治好日 純米吟醸」は、「亀の尾」を100%使用してつくられた貴重な純米吟醸酒。香りは控えめですが、飲んだ後の余韻がすばらしく、お米本来の旨みを存分に堪能できます。冷酒はもちろん、少し熱めの「ぬる燗」で味わうとさらにおいしいです。

山形でレアな日本酒を現地調達しよう

季節限定の商品も多く、銘柄や種類によっては、手に入りにくいものもあると思います。旅行先の酒店やおみやげショップで気になるものを見かけたら、迷わず購入しておくのがおすすめ。時間があれば、酒蔵見学や蔵元直営ショップでの買い物を楽しむのもいいですね。また、上質なお酒ほど気の変化や振動に弱いもの。購入後の保管もていねいに行いましょう。

文・写真/ゆさ みずあ

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