真っ白な見た目がインパクト大!シルク茄子をご存知ですか?
シルク茄子は、兵庫県北部にある豊岡市但東町で栽培されている、オリジナル野菜です。
但東町は江戸時代から、「但馬ちりめん」の産地として栄えた町で、福知山や丹後地方と接し、京阪神方面から出石・城崎へと抜ける途中に位置します。美人湯として人気の「シルク温泉」や、春はチューリップ祭り、秋は安国寺のドウダンツツジが有名です。
今回は、そんな但東町でつくられるシルク茄子の魅力や、その白さの秘密をご紹介します。
純白茄子とも呼ばれる個性派・シルク茄子
シルク茄子は、アメリカ原産の品種を改良して生まれたもので、純白茄子と呼ばれることもあります。茄子といえば、ツヤツヤした濃紺色が思い浮かびますが、シルク茄子はその名の通り、真っ白な見た目が特徴です。個性的な見た目なので、初めて見ると茄子とは分からないかもしれません。
シルク茄子はなぜ白い? 原因はその色素に
シルク茄子が真っ白な理由は、色素がまったくないからです。といって、栄養までなくなったわけではありません。
むしろ、ほかの品種に比べ糖度・水分量は約2倍、ビタミンEもニンジン、ゴボウより多く、通常の茄子の約2倍もあり、そら豆やセロリの約3倍を含むといわれています。
ビタミンEは、抗酸化作用や血中コレステロールを下げる効果があり、ビタミンEを含まない野菜も多いので、シルク茄子は栄養価の面でも上々といえます。実のしまりがよく、形が崩れにくいので調理しやすく、口当たりも滑らかです。
暑い夏にさっぱり!シルク茄子のおひたし
シルク茄子は皮が少し硬いので、素揚げしておひたしにするのがおすすめです。皮をむいてから素揚げしてもいいですし、皮つきなら包丁で皮に切れ目を入れると火が通りやすいです。
素揚げしたシルク茄子は、ソーメンつゆにつけこみ、冷やして食べるのがおすすめです。刻み葱、おろしショウガを添えるとさっぱりして、暑い夏にぴったりの味になること間違いなしです。
焼けばトロトロ、ソテーや焼きナスに
シルク茄子は実がしっかりしていて、煮たり焼いたりしても形が崩れにくいので、田楽や、衣をつけて天ぷらにして食べるのにも適しています。また、シルク茄子特有のトロトロ感を味わうなら、焼きナスやステーキ、ソテーにして食べるのもおすすめです。一般的な茄子よりも糖度が高いシルク茄子だからこそ、加熱することでクリーミーな味わいを楽しめます。
気になるシルク茄子の購入方法は?
シルク茄子は但東町にある温泉、「シルク温泉やまびこ」の売店や、大手通販サイトで購入できます。直売店では地方発送も可能です。最近は収穫・流通する量が増加傾向にあり、京阪神の市場でも取り扱われるようになりました。
それでも、シルク茄子は通常の茄子に比べ、生産量が限られるため、市場へ出回る量も一般的なものより少なくなっています。一般的な茄子と同じく夏場に収穫時期を迎えますが、希少なため、販売期間も限定される場合があります。
シルク茄子を使ったカレーも販売中
シルク茄子を販売している但東シルクロード観光協会では、シルク茄子を使ったレトルトカレーも販売しています。価格は1パック500円(税別)で、「シルク温泉やまびこ」の売店で購入できるほか、シルク温泉やまびこ内のレストランでも食べることができます。
お肉には但馬牛のひき肉が使われ、大きめにカットされたシルク茄子がゴロゴロ入っているます。季節に関わらず、シルク茄子のみずみずしさを味わえる一品です。
<お問い合わせ>
但東シルクロード観光協会:0796-54-0141(シルク温泉やまびこ)
ツタンカーメン? シルク茄子以外にもあるシルク野菜とは
但東町では、シルク茄子を含め、シルク野菜といわれるシルクコーンや、ツタンカーメンの栽培が行われています。シルクコーンは、シルク茄子同様、真っ白な見た目が特徴的で、シャキシャキした食感と甘みの強さが特徴です。新鮮なものなら、生で食べられるほどです。
ツタンカーメンは真っ白ではないですが、豆は緑色なのに見た目(さや)が紫色というのが特徴のえんどう豆です。どちらも収穫時期になるとシルク茄子と同じように、シルク温泉やまびこ内の売店や、京阪神の市場へ出荷されます。機会があればぜひ、召し上がってみてください。
一味違う、シルク茄子。見て、食べて楽しめる
見た目も栄養もばっちりのシルク茄子。生野菜として手に入る時期は限られるかもしれませんが、カレー販売など、通年を通して食べられる商品も登場しています。
一般的な茄子と違う見た目を持つだけではなく、クリーミーな味わいに加えて、栄養も抜群というのがシルク茄子の魅力的です。ほかのシルク野菜とともに、見かけたときはぜひお手に取り、味わってみてはいかがでしょうか。
出典:農Pro