NC旋盤とは?|仕組み・構造・使い方・メンテナンス方法をチェック

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

NC旋盤とは

 

View this post on Instagram

 

hidesunさん(@hidesun8921)がシェアした投稿


NC旋盤の”NC”とは「Numerical Control」の略です。つまり、数値制御を意味しています。

そもそも、旋盤とは材料を削る切削加工を行い、ものを作り出す機械のことです。詳しく見ていくと、円柱状の材料を回転させながらバイト(刃物)を当てて不要な部分を削り取る作業になります。他にも穴あけや中ぐり、溝加工など様々な加工を行います。

一方、NC旋盤は、この旋盤にNC(数値制御機能)を取り付け、速度などの細かい部分を数値で指示できるようにして自動的に切削加工を行う機械になります。つまり、あらかじめ設定した手順で多くの種類のバイト(刃物)を加工や材料によって使い分けてコンピューターによる自動加工を行うのです。

このNC旋盤を使うことによって、従来手作業で行っていたために生じたムラやミスをなくすだけでなく自動化による生産性の向上と人件費の削減をも可能にすることができます。

NC旋盤の種類その1【主軸固定型NC旋盤】


出典:ウィキメディア・コモンズ

主軸固定型NC旋盤はその名の通り、主軸となる台が固定されて加工するNC旋盤になります。では、主軸固定型NC旋盤の構造・仕組みを見ていきましょう。

主軸固定型NC旋盤は従来の旋盤と同様、バイト(刃物)が軸方向に移動する仕組みとなっています。この方法では、あらかじめ全長の寸法をコンピューターで送った材料をしっかり固定して加工を行うため、細長い材料より太くて丈夫な材料の加工に有効です。

また、固定型NC旋盤には、移動型NC旋盤に搭載されているガイドブッシュがないため、材料を余すことなく加工することができます。

NC旋盤の種類その2【主軸移動型NC旋盤】


出典:ウィキメディア・コモンズ

主軸移動型NC旋盤はその名の通り、主軸となる台が移動するNC旋盤になります。では、主軸移動型NC旋盤の構造・仕組みを見ていきましょう。

材料を掴んでいるチャックと呼ばれる部分はバイト(刃物)を当てても反り曲がることはありませんが、チャックから遠ざかるにつれて材料が反り曲がりやすくなってしまいます。

そこで、細長いものを加工する際に反り曲がることがないよう、バイト(刃物)の手前でガイドブッシュと呼ばれる支えを使います。このガイドブッシュを搭載している機械の場合、材料を掴むチャックを移動させるため「主軸移動型NC旋盤」と呼ばれるのです。

この仕組みから、主軸移動型NC旋盤は細くて長い材料を加工するのを得意としています。しかし、ガイドブッシュの寸法分が加工できないというデメリットもあります。

NC旋盤のプログラミングとは


出典:Pixabay

NC旋盤の数値を設定する際に、プログラミングが必要となります。この NCプログラミングができれば、数値の編集や新たな設定も可能となるのです。このNCプログラミングは、アルファベットと数字の組み合わせによって様々な機能を実現しています。では、詳しくプログラミングについて見ていきましょう。

%(データスタート・データエンド):プログラムの始まりと終わりを表す。
O(プログラム番号):Oの後につける番号がプログラム番号となる。
( )(注釈・コメント):NCでは読み込まれない部分。メモ。
#(変数):データを一定期間記憶し必要なときに利用できるようにする。
N(シーケンス番号):プログラムを見やすくするための目印。
S(主軸回転数):S+数値で表す。
M(補助機能):主軸の回転や停止。
G(準備機能):直線補間・間接補間
F(送り速度):F+数値で表す。
T(次工具選択):T+数値で表す。

NC旋盤の構成

では、NC旋盤の主な構造を見ていきましょう。

主軸台

主軸台は回転軸であるスピンドルやモーター、変速機の部分を指します。上記の写真で、左手がふれている部分モーターに主軸が組み込まれています。これによって、見た目がコンパクトなだけでなく、静粛性にも優れるというメリットがあるのです。

刃物台

刃物台は、バイト(刃物)のような切削工具を取り付ける部分のことを指します。タレットとも呼ばれており、上記の写真の右側部分にある部品が刃物台になります。

ベッド

切削加工をする際に大量の切りくずが出ます。NC旋盤は自動のためほっておくと切りくずが溜まってしまうためにベッドがあるのです。排出が簡単になるように、少し傾斜のあるタイプのものが多く使われています。

チャック

チャックとは、上記にも挙げたように、材料を固定するための装置です。磁器や真空式など様々なチャックがあり、上記の写真では、左手の部分に取り付けられています。

工業製品を支える部品加工を生産しているコイソ製作所でもNC旋盤を利用し、多くの部品を生み出しています。

【有限会社コイソ製作所】

住所:〒243-0024 神奈川県厚木市長沼245-5
電話番号:046-280-5842
URL:http://kakou-koiso.jp/

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連するキーワードから探す