プロパノータとは
プロパノータは、廃棄処分待ちとなったプロパンガスを使った楽器になります。いわゆる「アップサイクル楽器」です。アップサイクルとはリサイクルとは違って元の製品よりも価値の高いものを作り出すことをいいます。
プロパノータは太鼓のような打楽器なので、楽譜が読めない方でも簡単に演奏することができます。また、プロパノータは音階を持ち、曲を演奏することもできるのです。
プロパノータの発祥
プロパノータは、スイスの「ハング・ドラム」やドラム缶楽器の「スティールパン」を元に作られたのではないか?と言われていますが、確実な発祥元は未だ不明です。
プロパノータは造語で、「プロパンボンベ+ノータ=プロパノータ」とされています。”ノータ”とは、スペイン語で「音」という意味を持ち、このことからもスペイン発祥なのでは?と疑問が生まれます。
しかし、プロパノータは世界各地で作られており、かつ、それぞれの製作者が楽器の名前を付けているため定かではないのです。
日本でプロパノータを作る職人さんは菅井肇さんただ一人となっています。
プロパノータの特徴
プロパノータの最大の特徴は音色でしょう。思わず眠ってしまうような柔らかい優しい音色の響きは、誰もが魅了されてしまうほどです。また、その音色がよく響くことも特徴ですが、響きが良すぎて演奏しづらいという特徴も持っています。
プロパノータの特徴はその音色だけではありません。かわいらしい鮮やかなカラーとまるい形もプロパノータの特徴です。インテリアやオブジェとしても使えるような可愛い見た目で、親しみやすさがあります。
上記で挙げた日本で唯一のプロパノータ職人である菅井肇さんは、プロパノータの特徴の一つである「良すぎる響き」を課題にして改善に取り組みました。詳しく、その改善方法について見ていきましょう。
プロパノータの響きを抑える
菅井肇さんは、プロパノータの過ぎる響きを抑えるため、「スイミングキャップ」を被せました。こうすることで「ミュート効果」と呼ばれる音をやわらかくする効果が働き、響きを抑えることに成功しました。
いわば、ピアノの左ペダルのような役割です。
プロパノータの演奏方法
既述の通り、プロパノータは楽譜のいらない楽器です。なので、基本的に「即興」で演奏します。もちろん、曲を演奏することも可能です。
菅井肇さんによると、演奏方法や目的の違いによってプロパノータの種類が異なるようです。初心者の方や曲の演奏を楽しみたい方には「P15」や「P13」のような音階を多く持つプロパノータが良いようです。
他にも、打楽器として楽しみたい方やインテリアとして楽しみたい方には、音階の少ない「P10」のプロパノータが良いようです。
ここで、「P~」とは何か?という疑問が生まれることでしょう。これは、音階の数を表しています。Pはプロパノータの意味で、数字は音階の数です。
「P10」はひとつのプロパノータの中に2オクターブ入っています。かわいらしいプロパノータの中にそれほどの音表現ができるのは驚きですね。
プロパノータの音階の作り方や菅井肇さんとプロパノータとの出会いなどより深くプロパノータについて知りたい方は以下をチェックしてみてください。
【Propa No-ta.com】
住所:東京都葛飾区白鳥3-8-7
アクセス:京成押上線「青砥駅」より徒歩16分 ・京成本線「お花茶屋駅」より徒歩10分
URL:http://propano-ta.com/