日本刀の作り方その8「土置き」
出典:写真AC
火造りが終わり、センとヤスリで砥石などで形を整えたら、焼刃土を塗っていく”土置き”と呼ばれる作業を行います。藁灰で油分を取り除き水洗いをした後、日本刀の刀側に薄く、棟側に厚く土を塗っていきます。
この土置きでは、模様付けのためにも行われます。刀匠の美意識やセンスが光る工程ともいえるでしょう。また、刃部分を硬く、棟部分に柔軟性を持たせるためにもこの作業を行います。
日本刀の作り方その9「焼き入れ」
土置きが終わったら、刀全体を800度まで熱し”船”と呼ばれる水槽の中に入れて急激に冷やします。こうすることで、日本刀独特の反りや硬度が生まれるのです。この作業を”焼き入れ”と呼びます。
ここで重要なのが「水の温度」です。かつて、船に手を入れて温度を確かめた弟子が師匠に腕を切り落とされたという話があるほど。それほど、日本刀を作るうえで水の温度は重要なのです。水の温度が高すぎると刃に亀裂が入ってしまい、逆に低すぎるときちんと焼き入れが行えません。
水の最適温度は人肌程度といわれており、36度前後です。
日本刀の作り方その10「合い取り」
合い取りでは、焼き入れの際に焼成できていない不安定な部分を安定させたり、刃の腰を強くします。再度、150度くらいの温度でじっくり熱することによって刃こぼれを防ぎます。
日本刀の作り方その11「鍛冶研ぎ」
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合い取りが終わり、日本刀の曲がりや反りを修正したら、刀匠が”研ぎ”を行います。この際に、刀匠は刀の完成度を確認するのです。最終的な研ぎは研ぎ師によって行われますが、この鍛冶研ぎも重要な工程。責任を持って刀匠は研ぎ作業を行います。
日本刀の作り方その12「鑢(やすり)がけ・銘切り」
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最後に、茎(なかご)にやすりをかけ、鏨(たがね)で銘を切る作業を行います。かつては、柄から刀身が落ちないように鑢(やすり)がけが行われていましたが次第に美観のために行われるようになりました。
銘切りの”銘”とは、刀匠の作品であることを示すもので製作者名や製作年月日を刻銘します。ここまでが、刀匠の仕事です。この後は研ぎ師によって光沢が出るまで入念に研がれていきます。
日本刀制作にかかる時間と費用
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日本刀は、900年以上も前から伝統的な製法を守り続け今現在まで受け継がれています。既述の通り、日本刀は玉鋼で作られていますが、これは日本刀のみといっても過言ではなく、その製法も他にはない日本独自の職人技術です。
そんな日本刀は複雑な工程によって作られており、一人の刀匠によって作られる刀の数は1年に数本~数十本と言われています。刀匠に刀製作を依頼すると、半年~1年半で納期されます。日本刀の相場は約20万円~150万円と刀の種類によって大きく変わります。
現在も受け継がれる日本刀作り
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いかがでしたでしょうか?古くより始まる日本刀作りは今現在も伝統的な技法が受け継がれています。日本の職人らしさが垣間見える丁寧な技術でしたね。
これからも、日本刀作りをはじめとした日本の伝統技術が廃れることなく、継承していかなければなりません。改めて、職人技術の大切さ、そして魅力を体験を通して知ることも良いですね。
日本刀に触れてみよう
今回、日本刀の作り方についてご紹介しました。そこで、大人の職場体験予約サイト「ココロミル」では日本刀に触れる体験を掲載しています。
かつての侍のように、実際に日本刀で巻き藁を一刀両断できる体験や、鍛冶の技術を使って燈台を作る体験ができます。他ではできない貴重な体験をぜひ、味わってみてください。